◯◯◯
ガーディアンのしゅごキャラたちについて行くと、そこは中庭だった。
「おーい、しゅごキャラー!
どこにいるのー?」
叫んでみても帰ってくるのは風の音ばかり。
「キセキ、本当にここにいるの?」
後ろから辺里先輩の訝しげな声が聞こえた。
『当然だ!我々のなんとなーくレーダーに死角はない!!』
『なんとな〜くここら辺にいる気がいたしますわ』
『大丈夫、だいじょーぶ!』
三者三様の信用のおけない答えが返ってくる。
でも三人ともがここだっていうならやっぱりここにいるんだろうか?
「とにかく、ここを手分けして探しましょう」
「そうだね。じゃあ僕と結木さんで道路側を探そう」
「なら俺と藤崎で校舎側、だな!」
藤崎先輩と相馬先輩と別れ、
辺里先輩と中庭を探す。
ほどなくしてしゅごキャラは見つかった。
「あ、あれ、あの草の上に寝てるの、そうじゃない?」
辺里先輩に言われてそっちに目を向けるとふかふかの草の上でその子は寝ていた。
ピンク色の兎耳のついた服を着て、
おしゃぶりらしきものを咥えたしゅごキャラ。
『ううーん。むにゃむにゃ』
あ、あれがややの2人目のしゅごキャラ…?
なんで赤ちゃんなの?
――まさか。
ある考えにたどり着き、愕然としていると辺里先輩が後ろから声をかけてくる。
「どう?結木さんのしゅごキャラかな?」
「へっ?あ、多分…」
歯切れの悪い答えに辺里先輩は首をかしげる。
「多分って…もしかしてあの子を見るのは初めて?」
「う、うん」
「…?それなのにどうしてしゅごキャラの存在を知ってたの?
誰かから聞いた?」
ぎくっとする。
そうか。
しゅごキャラを見てないってことはしゅごキャラ自身から説明を受けてないってことで、しゅごキャラなんなのか知ってる筈がないのだ。
リラの存在を隠したことによって矛盾が生まれてしまった。
――いやでもまだ誤魔化せる!
「や、ややの親戚の子がキャラ持ちで、
昔から話は聞いてたのっ!」
しどろもどろになりながら必死に言い募る。
だが思いっきり目をそらしてしまった。
明らかに嘘をついているのがばればれだろう。
――こんな時リラとキャラチェンできたら…いや口調が変わりすぎて逆に怪しまれそう。
終わったとか思いながらうつむいていると。
「そうなんだ」
辺里先輩はあっさりと引いてくれた。
よかった〜。
『むぅ、うるさいでちゅね。
ペペの大事なお昼寝タイムを邪魔しないで欲しいでちゅ』
ふとそんな声が聞こえ、しゅごキャラの方に目を移す。
赤ちゃんみたいな舌足らずな声。
ジト目をしたしゅごキャラ――ペペが仁王立ちしていた。
「あ、あのー。あなた、ややのしゅごキャラ?」
一応そう聞くと、ペペは大きく頷いた。
『そのとーり!
ペペはややたんのしゅごキャラ。
なりたい自分でちゅね。
これからよろしくでちゅ』
空中でくるりと回ってお辞儀するペペ。
辺里先輩が安心したように笑った。
「良かったね、結木さん。
見つかって」
「う、うん。ありがとう。一緒に探してくれて…」
――何か、辺里先輩って、笑うと女の子より可愛いかも…。
そんな失礼なことを考えつつ、
2人目のしゅごキャラ、ペペに向き直る。
「もー!それにしても、なんでややに何にも言わないでどっかいっちゃったの!」
おかげで朝から大変だった。
そう言うと、ペペは
『ごめんでちゅ。
でも、そこに良いお昼寝スポットがあったから…仕方ないんでちゅ!』
あんまり悪びれずに開き直った。
「もー。次からはそういうの絶対なしだからね!」
『肝に命じとくでちゅ』
そんなペペの天真爛漫さに毒気を抜かれて結局は許してしまった。
我がしゅごキャラながら不思議な魅力のある子だ。
「じゃあ、これからよろしくね。
ペペちゃん!」
『はいでちゅ!』
手のひらの上に乗せたペペと笑いあう。
色々あったけど、…気になることもあるけど。
見つかって良かった。
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