聞いているか。

 ちゃんと聞いているか。

 聞こえていなくても、聞いているふりくらいはしろよ。

 ストラップ、持っていくから。

 さすがにさ、壊れそうだから、落とすのも怖いし……つけていないけれど。

 俺が死んだら一緒に燃やしてもらうわな。もう灰色になった白いイルカと、青いイルカと。

 とか言ってみてもお前、馬鹿じゃあねぇのって鼻を鳴らすんだろ。

 ああ、涙、止まったわ。苦笑しちまった。

 今度こそ行くから。

 もうここには来ない……いいや、一応もし、日本にまた戻ることがあったら挨拶に来るわ。二度と、後悔はしたくないからさ。

 ――撫でても冷たくて、硬いよな。まぁ墓石だから、当たり前、か。

 俺、な。

 ずっと好きだったよ。

 お前のこと、すごく好きだったよ。

 その、無鉄砲さに憧れていた。笑う顔がまた好きでさ。

 一緒にいて誇らしかったし、楽しかった。

 大好きだったわ。まだ、傍にいると錯覚するくらい、深く、強く、な。

 さようならは言わないぞ。

 今までも言ったこと無いだろ?

 でも、またな、とも言えん。

 だからさ。

 ――……じゃあな。







END
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