「お願い……僕もあなたを……っ、ああっ、味わいたい」

 いやらしく懇願され、清一郎は尻から顔を上げた。瑞樹の顔に股間をやるよう身体を反転させ、覆いかぶさる。互いが同時に淫口を行えるこの体勢に、清一郎は酷く興奮した。わざと、瑞樹の顔に股間をぐりぐり押し付ける。自分の茂った陰毛が、彼の美しい顔を擦っている。そう感じた途端、清一郎の陰茎の先端が湿り気を帯びた。

「こんなに美味しそうなお汁を滲ませて……」

 瑞樹の澄んだ声には淫靡な響きが宿っていた。陰茎へ吐息がかかってきたかと思えば、すぐに生暖かな口膣へ、先端が包み込まれる。それはやがて喉の奥まで深々と飲み込まれた。陰茎のくびれにぬめぬめと舌を這わせられ、清一郎は負けじと瑞樹のそれにしゃぶりつく。一気に奥まで啜りこめば、陰茎を咥えたままあっ、ああっ、と喘ぐ瑞樹の声が微かに聞こえた。

 口に含んだ陰茎は素直に反応を示してくる。それがとても愛しくて、清一郎の顔に笑みが浮かんだ。音をちゅぽん、と立て陰茎をそこから引き抜き、先端を親指でくにくに揉んで弄る。鈴口から透明な蜜液がじわっと溢れた。

「清一郎……」

 切なげな声で囁かれ、彼は再び瑞樹の高ぶりを啜り上げる。口をすぼめ、内頬の肉を使って全体を愛撫すれば、瑞樹は身をよじらせながら細く喘いだ。

 陰茎への刺激を強められ、清一郎は込み上がる射精感をぐっと堪える。

「もう、いいから」

 瑞樹の尻を撫でながら言うが、彼からの愛撫は止まない。陰毛に荒い鼻息がかかってくる。睾丸にもぬめぬめと舌を這わせられ、清一郎は身を起こそうとするが、両手に腰を掴まれてしまう。

 いつ吐精してもおかしくないそれを咥えられたまま、このまま出してとくぐもった声で言われ、清一郎の肉欲が爆発した。股間を突き上げ、瑞樹の喉の奥まで陰茎を強制的に飲み込ませる。そのままの状態で激しくピストンをすれば、ぶぶっ、んぶぶっ、と瑞樹の鼻から漏れる息が聞こえてきた。

「っ、歯が当たる。もっと大きく口を開いて」

 清一郎が言うと、陰茎のくびれを唇で強く締め付けられた。強烈な刺激に耐え切れなくなり、予告もなしに、大量の精液を喉の奥深くへびゅるると吐き出してしまう。その勢いにたまらなくなったのか、瑞樹は陰茎を口に含みながらぶほぶほとむせた。

「ああっ、すまない。大丈夫か?」

 素早く腰を浮かせようとするのだが、瑞樹からそこをしゃぶり続けられ、思わずくっ、と呻く。精液を嚥下されるたび、口膣がきゅうきゅう締め付けてくる。出せる全てを飲み込もうとでもするかのよう丹念に扱かれてから、ちゅぱりと音を立てられ、やっと陰茎が自由になる。しかし、それでも瑞樹からの愛撫は止まず、なおもそこを手で扱かれた。睾丸が上がり、もう出ないと思っていた精液が駄目押しだといわんばかりにたらりとこぼれる。

「んんっ、ああ、美味しい……清一郎。僕、上手でした?」

 清一郎の股間から顔を下にずらし、瑞樹は妖艶に微笑む。赤い唇を精液が汚していた。

 こうしていつも、自分を気持ちよくさせようと必死になってくれる瑞樹が妙に哀れに感じる。ただ、その心も、今見ている壮絶な美貌の前では欲望と化した。

 清一郎は足と頭の位置を逆にすると、瑞樹を抱きしめる。己の精液が付着した唇にむしゃぶりつき、胸の蕾を指で転がせば、彼は嬉しそうに舌を絡ませてきた。

 合わさる唇を味わいながら、清一郎は彼の全身を撫で回す。羽で撫でるようなタッチだ。内腿を指でなぞったら、瑞樹は恍惚とした吐息を零した。

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