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 やあやあどうも陽柱とかなんかにり、現実逃避をしている撃雅風だよ!
なになにテンションが高くてついていけないって?安心して!私も内面でしかついていけてないから!
 げふんこふん、まあとりあえず柱になった私ですけれど、はっきりいっていい?鬼を滅殺するハードワークが倍になりました。ブラック企業もびっくりな感じにハードワークなんだけどこれでもし書類とかこられたら私死んでた。というか置き手紙して逃げてたわうん。しかも気がついたらもう鬼殺隊に入って4年経ってるって言うね!時が流れるのはやすぎない?

 あ、そうそう、私より先に錆兎が水柱になったよ!義勇くんは錆兎の継子になったみたいなんだけれど、実力的には一緒に柱やってるようなものだな!!とものすごいドヤ顔していたよ!!
 なんでも、新しい水の呼吸の型を編み出したとか。
 あと、真菰ちゃんも鬼殺隊の最終試験合格したみたい。なんでもあの年号鬼の事を錆兎が鱗滝さんに伝えたらしく、そのあと部隊を組んで討伐された。あの硬い首のこともあって、鱗滝さんの所の修行の最終試験がさらに高難易度になったみたい。あれかな?やっぱり岩を切ったのかな?
そんな近状報告を手紙で伝えられました。
そしてカナエさん経由で知ったのか、私が柱になってることもバレてしまいなんで言わないんだお前はっ!!ってとっても怒られました。そんな怒ることないじゃないかと思った途端に綺麗な花飾りが着いた簪をお団子に刺されました。なんでも柱になったお祝いだとかたまたま目に入ってとか色んなこと言われたけれど、任務の時に壊したらいけないので特別な休日だけに付けることにしよう。
因みに錆兎が柱になった時はちゃんとお祝いの品をサブレに持たせましたよ。髪が長くなってたから髪紐と、手作りのちょっとした御守り。大したものでは無いけど喜んでくれたのなら何よりです。

 まあ、そんなこんなで文通しつつ鬼を退治して思ってた事がありまして……原作突入っていつなのかなーって。とりあえず、時透くんが二ヶ月で柱になったのは知っているんだ。二年から五年を二ヶ月!?ってめっちゃ驚いた記憶があるから。
 でもね、他の……たとえば皆さんの年齢とか事細かを覚えてないんだよね。知ってたらそこら辺で逆算できたんだけど!公式ファンブック出るのが……まだだったんですよ……くっそ!ネタバレしてもいいからGo●gle先生に聞くべきだった!
 覚えてるとして……炭治郎が一番最初十三歳だったくらい?

…………あっ

 いや、これ特定出来るわ。居場所特定できるわ。鱗滝さんの家……狭霧山から数日歩いてかかる場所と考えて、冬には雪がめちゃくちゃ積もる場所山の中、歩いて行ける距離の街。狭霧山から数km圏内と考えてめぼしい街に聞き込めばいい。炭治郎は人柄から街の人みんなに愛されてる感じだったから炭売りの炭治郎って聞けば分かるはずだ。その時偶然を装って話しかけて、藤の花の匂袋を渡せば竈門家の被害を少しでも緩和できるんじゃないだろうか。

「そうだ、そうだそうしよう」

 やることは決まった。まずは匂袋を人数分確保、そして竈門家の家の特定!
 珍しくやる気に充ちてきましたよ!雅風ちゃん頑張っちゃうヨ!

 とりあえず匂い袋の確保からだな。でも匂い袋だけだと不安だからなにか……練り香水とかそういう類のものを作れないかな。手荒れに効くハンドクリーム的なの作れたら一番いいんだけど。とりあえず、それなら専門家に聞くのが一番か?
 サブレ(私の鎹鳩)から知らされた依頼はあと3件、それを終えたら一度蝶屋敷に行こう。即決した私はとりあえず任務に向かうのだった。

 それから数日し、蝶屋敷に来た私は何故かけが人の治療に明け暮れていた。何故だ。いや、生命の波紋は確かに怪我を治したりするけれども!
手渡された白衣をきつつ、傷口から波紋を流していれば、笑顔のカナエさんは言う。

「雅風さんがいると怪我が早く治るからベッドが早く空いていいわね」
 「本当…血鬼術での被害にあった子達の回復具合も直接日に当たるより早いものね。とっても助かったわぁ。ありがとう雅風ちゃん」

 にっこりと笑みを浮かべるカナエさんと、医療具を片手に怪我人を見つつ器用にカルテになにやら書き込んでいるしのぶ。まあ、暫くお世話になるからタダで泊まらせて貰うのは嫌だから別にいいんだけど……

 彼女達と初めてあったのはこの蝶屋敷で怪我人の治療をしろと指示を受けた時だった。鬼との戦闘により多数の重傷者が出てしまい、それはもう酷い有様だった。腕がない者、下半身がちぎれかけてるものの、まだ息がある者、両の目から血が流れ落ち、酷い悲鳴をあげている者。まさに地獄絵図だった。
 私は今まで死体は見たことがあった。大きな怪我を負って呻き声を上げている人も見た。でも、あそこまで酷い有様の者たちは見たことがない。そんな彼等を蝶屋敷の彼女達は諦めず、懸命に治療していた。ならば、手を貸すしかないじゃないか。私はその日限界まで波紋法を使った。呼吸するのも辛いくらいに。カナエさんやしのぶの的確な指示を受けつつ、生命の波紋を使い、あとすこしで死んでしまうかもしれなかった命を救ったのだ。
 そんな事があった為か、最初は胡蝶さんとか呼んでたが速攻で姉妹で胡蝶なんだからどっちか分からないので名前で呼んでください!といわれ、カナエさん、しのぶ呼びになり、相手も私のことを呼び捨てにするくらいの仲になった。
 特にしのぶとはたまにお茶をするぐらいの仲になった。

 まあその時、カナエさんに「私もお茶会したい!!雅風ちゃんなんで私にはそんなよそよそしくするの…?」っと、酷く悲しそうな顔をされてしまった。
 ごめんなさい本当にごめんなさいあなたが死んでしまうの知ってるからなんです…今柱である彼女は私の知る原作では出てこなかった。それは、つまり彼女が死んでしまうことを意味している。私にとって大切な友人になってしまった、戦友になってしまった彼女の事を強く守りたいと思う。
 けれど、死亡時期と場所はっきりしないと防ぐものも防ぐことができないし、鬼の能力わからないので対策が立てられないのだ。
 だから私はカナエさんを避けてしまう。本当はしのぶと同じくらい親しく接したいし、仲良くしたい。でも、もし彼女を助けられなかったら私の中で何かが壊れてしまうのではないかと思って、恐ろしくてならないのだ。
 だからお願いだから無理はしないでよ…カナエさん。

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 一通り治療も終わり、一息ついたところでやっと話せる状態になった。カナエさんは任務が入り、外へ行き、私としのぶは玉露のお茶とお茶菓子に出されたわらび餅をお互いつまみつつ、本来の目的である話をを切り出した。

「藤の花の香水?」
「そう」
「貴方が自分から来るのは珍しいと思っていましたが、本当に唐突ですね。」

考え込む彼女をじいっとみていれば、また1口お茶を飲んだ。

「作れるには作れると思いますが……そのために抽出する藤の花の量を考えるとあまり量は作れないと思いますよ?」
「それでも構わない」
「では、そうですね、ほかの研究の事もありますので……1ヶ月はお待ちを」
「ありがとう、助かる」

1度頭を下げて顔をあげれば、鳩が豆鉄砲に当たったような顔を彼女はしていた。そんなに驚かなくてもいいんじゃないかな?!
それにしても香水も作れるってほんとハイスペック過ぎやしないかい?今度御礼にシフォンケーキ作ろう。

1ヶ月は案外あっという間だった。しのぶとのお茶会の後、すぐに任務に駆り出されたわたしはそれはハイテンションで鬼退治をしていた。嬉しいことがあればテンションは鰻登りになるの当たり前でない?
それとまあ、自分の新調した刀というか、鉤爪の使い心地を試すためでもあるが。
波紋は直接体の末端から流す。なので、刀の形状よりも鉤爪という直接肌にも触れられて、波紋が流しやすい形状のものが好ましかったのだ。
基本的に殴る蹴るの肉弾戦が自分の型である、というのも理由の一つだ。しかも、便利なことに、私の隊服は腕の袖口が大きく長めになっていて、鉤爪が簡単に収納できるようになっているのだ。はっきりいってめっちゃ楽。軍警に目をつけられないからネ!
あ、そうそう、私の刀の色は驚くことに黒色だったのだよ。やっぱり黒い刀のって太陽に関係してるのかな?
げふん、また話しがそれた。
まあとりあえず、そんなふうに鉤爪を試しつつ、しのぶの作った香水と藤の匂い袋を、懐につめて竈門家を探すのだった。

季節は秋、山の色は瑞々しい緑色から鮮やから紅、黄色、橙色に移り変わり、足元を木の葉が覆い尽くしている。竈門家は案外すんなり見つかった。手当たり次第に山に入り、一番高い木の上で一筋の白い煙を見つけたのだ。炭を売っているということはつまり、山の中でよく火を起こし、狼煙を上げているということ。(街の方に行く前にこっちのが早いじゃん!と気がついた。)その狼煙の元に行けば一軒の家がぽつんとひとつ。一応、見つからないように遠目で見ているが、小さな影……ちびっこ達がなにやら遊んでいるらしい。
それを確認してから、私は隊服を脱ぎ、下に着ていた私服姿になる。脱いだものと鉤爪を風呂敷に包み、いつも高い位置に二つに結いてるお団子を解き、流したままにする。プチ変装である。おかしな所がないか確認してから、炭治郎が通りそうな道と言えるような場所の、石がちょうどベンチになっているところに腰掛ける。ようし!がんばるぞうっ!





とっぷ