シロナさんとの通話後、リオルはとても不機嫌そうにしながら、私に引っ付いてきた。
お前どこにも行くんじゃねぇよというように膝の上を占領し、立ち上がれば抱っこをせがみ、さらにはトイレにまで着いてこようとするので大変である。
お風呂はまだいいが、トレイはダメだ。絶対だめだ。
なんでこんなにあれなんだとリオルと比較的仲のいいチリーンに聞けば、「やれやれ、仕方のねぇ人だ」と言わんばかりにワイルドな鳴き声を出しながら首を振られた。泣いた。
今まで野生のポケモンたちと触れ合ってきて、このような反応は初めてだったために、私は大変困惑する。
いや、だって故郷に帰れるのって嬉しいことじゃないの?他の子は帰れることに喜んで、一緒に住んでいた仲間にあったときには泣いて喜んで帰っていったぞ?
鳥ポケモンの場合は確かにまあ遊びに来たりもするが、それでも最後には仲間の元に帰る。
リオルと仲のいいチリーンだって、他に住処があるから私の家にはずっとる訳では無い。
頬を掻きつつ、とりあえずは、リオルの意見を聞いた方がいいのだろうかと、ひっつき虫宜しく首にぶら下がるこの子のに少しお話をしようか、と声をかけた。
「最初、君に言った通り、君の怪我が治って、危険がなくならば君のことは元々住んでいだろう場所に送り届けるつもりだったんだ。それが君にとって1番だろうと考えたからね。」
「ぶるる、がう、うう、」
滅茶苦茶抗議するみたいに首を振られて訴えられる。ええーーー??
「なんだなんだ、そんなにここが気に入ったの?」
「ばうう、」
「え?違う?友達ができてここに居たいとかじゃないの?」
「…………」
「え、ちょっとなんでそんな残念なものを見る目で見てくるの!?やめて!?私残念な生き物じゃないよ!?」
何言ってんだこいつとばかりにチリーンのようにやれやれと頭を振られる。
え、酷い。お姉さん傷ついちゃう。
しくしくと顔を覆えば、ばうばう!と、ぺしぺしと膝を叩かれる。
なんだいもー、と顔をおおっていた手をどければ、ばう、と私を指さしてくる。
それにえ??と、声を出せば、また、ばう、といって私のことを指さしてくる。
「まさかまさかとは思いますが、私がいるからですかリオルさん」
「がう」
「えーーー?????」
それ以外何があるとばかりに頷いて、ぐいぐいと私ほっぺに肉球が押し付けられる。何だこの肉球めちゃくちゃぷにぷにじゃねぇか。
じゃなくて!!
「待て待て待て、よく考えろリオルくん。私は手持ちのポケモンを持たない主義で、さらに言えばポケモンバトルもしないぞ。基本的にここにいるけど、たまに学会や研究のため長期ここから居なくなることもあるんだよ?」
懐かれてもゲットとかはしないし、これからも手持ちのポケモンを持つつもりは無い。特に他のトレーナー達のように派手な冒険をする訳でもないんだよ。
だからもう少しよく考えた方がいい。
君にはたくさんの道を選ぶ権利があるんだから。
そう言ってリオルの頭をぽんぽんと、撫でつければ、ばしりと叩き落とされた。
顔にはとてつもなく不満という文字が見える程に歪んでいて、ひえっと声をあげれば、ぐるるるるる!!!と低い声を上げられる。
そして、ばうばうがう!!!と私に怒鳴りつけると、部屋を飛び出す。
ぽかん、とそれを見送ると、一部始終を見ていたのか、窓から飛んできたチリーンに頭を締め付けられた。とても痛い。
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