01
本棚に置かれたアルバムを手に取る。
少し大きめのそれは、その重量の期待を裏切らない分厚い物だ。
それを抱えて、その場で体の向きを変えて座り込む。
先程対面していた本棚に背を向けて、そこにもたれかかった。
赤黒い表紙を撫でて、中程のページを開く。
そこには写真が数枚、間を作って貼られていた。
映るのは自分のみ。
作られた間には、これを撮った人物が映った写真が貼られていた筈だ。
貼ったのは自分なのだから、違えるはずもない。
その頁を軽く撫でて、次々と頁を捲って行く。
どこにもない。
「抜かれたなぁ、」なんて軽く自嘲気味に呟いた。
窓から入る日の光が途端に煩わしいような気持ちになって、そちらに目を向ける。
一度視線を戻し、アルバムを足元に置いてカーテンを閉めに行く。
足元に無数のものが散乱した部屋を横目に、カーテンを勢いよく閉めた。
そのまま体を部屋に向ければ、あちこちに衣類や小物が散らばっている。
それは全て自分の物だ。
先程のアルバムの中にあった自分の写真を撮った本人のものはいくら探しても見つからなかった。
跡形もなく消えたその男は、何も知らずにただ寝ていた私を、内心嘲笑っていたに違いない。
どうせなら、記憶まで消し去って行ってくれていれば良かったのに。
心の中で皮肉を言っても、もう何も返らないこの様子に心底嫌気がさした。
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