中学二年で初めて同じクラスになって、なんて優しくて、なんて穏やかな男の子なんだろうって思った。それだけ。きっかけなんてそれだけだった。
気付けば目で追っていて、少しでも話が出来ると一日中嬉しくって、傍にいるとドキドキした。卒業式当日の告白は「ごめん。嬉しいけど、みょうじのこと良く知らないし……」ってフラれてしまったけれど、じゃあこれから良く知って欲しいって諦め悪く申し出た連絡先の交換には応じてくれた。
それから私が追い掛ける形で同じ高校に進み、互いのペースで連絡を取り続けた。彼の部活がない日は一緒に帰ったり、そのまま出掛けたり。元々長身だったけれど更にがっしりした姿はかっこよくて、相変わらず優しいのに意地悪な面もあって、やっぱりドキドキした。
大型連休前に告白し直し「ごめんね。今は部活に集中したくて」ってフラれる。そんなことを繰り返して、早三年目。想いはまだ、実っていない。
嫌われているわけじゃないんだからって、何回フラれても頑張ってきた。彼の周りにいるどの女の子よりも仲が良い自信はある。部活だって後少しで引退。でも、そろそろ諦めなければいけないのかもしれない。
この間「俺のことまだ好きなの?」って松川が聞くものだから、淡い期待を込めて頷いた。なのに返事は「そっか」だけ。差し入れやメイクなんかも、精一杯努力している。ロングヘアが好きだって聞いたから髪も伸ばした。でも。松川にとっての私は、せいぜいお友達が限界なんだろう。
最近、そう思うようになった。