夏油君が私の婚約者になってしまっているらしい。
松野浦家の当主である実父に電話で聞いてみると、父と夏油君の間で内密に進められていたようで、すでに私以外の身内達には話が通っているそうだ。
そして最後の最後に私の承認を得て、夏油君と正式に婚約することになるらしいが、どうしてそのような話になっているか全く分からない。
え?そもそも夏油君とお父さん、いつの間に連絡先交換していたの?
そう聞けば父は『美々子ちゃんと奈々子ちゃんがやって来た日、夏油君も来ただろう?あの時教えてくれたんだ』とあっさりと言う。
「そうなんだ……。それで何で夏油君と婚約することになってるの?」
『夏油君からの提案なんだけどね。ほら、セナってば彼の味覚変えちゃったでしょ?その責任の所在について話していたら、夏油君がお宅のお嬢さんを下さいって言ってきて……』
「それで?」
『お父さんは未来の上司に刃向かいたくないよ』
なんて頼りない……。
けれど父の言う通り夏油君は優秀な呪術師であり、少なからずこの業界での影響力は大きい。おまけに彼はあの五条君と懇意にしている。今はまだ学生という身分であるため表立つことはないが、ゆくゆくは上に立つような人なのだ。
そんな彼に対して松野浦家は非常に無力。居てもいなくても変わらない風前の灯火のような一族よりも呪霊操術使いで、とてつもなく強くて、五条家とのパイプを持つ夏油君の方が力がある。
いつしか未来の上司になり得るだろう将来有望すぎる若者を前に父は断れなかったのかもしれない。
私も七海君や灰原君(将来上司になるだろう後輩達)に対して強く言えないため、悲しいことに父の気持ちが分かってしまった。
『でもこの縁談、結構良いと思うんだよね』
そして電話越しの父がけろりと言った。
『夏油君は一般家庭の出身だから非術師のクライアントとも上手くやっていけるんじゃないかな。最初セナの婿さんは呪術のお家の人にしようと思っていたけど、この業界出身の人は結構浮世離れしているだろう?先方とも上手くやっていけるか不安だったし、夏油君だったら心配ないかなって』
そうかな……?夏油君なら上手くやってくれそうな感じはするが、案外短気なところがあるため全面的に信用するのは難しい。
しかし父は笑いながら『夏油君ってば礼儀正しいんだけどセールスマンみたいな子だね。世が世なら教祖としてやっていけちゃいそう』なんて呑気なことを言っている。
『それに松野浦家としても夏油君を当主になってくれたら守って……ごほん、頼もしいと思うんだよね!』
父が隠しきれていない本音を誤魔化した。
呪術による戦闘力が空っきしな松野浦家にとって夏油君は喉から手が出る程欲しい人材なのだろう。いざとなった時守ってくれるような人がいれば松野浦家も安泰なのだ。
『それに夏油君ならセナのこと大切にしてくれるよ』
そして父からの電話が終わり、無言のまま立ち尽くす。
最終的には私の判断に委ねられるらしいが、父も、そして松野浦家の人達も乗り気であるのがありありと思い浮かべることができた。
こんな空気の中「夏油君とは結婚しません」と言えば一族中から非難されるだろう。
そもそも私で良いのかな?ていうか味覚を変えた責任の所在で婚約するのは謎すぎないか?
そういえば一度夏油君が松野浦家に来た時、彼の味覚を変えたことが原因で『責任とってずっと食事を用意してほしい』と言われたことがあった。
てっきり私のことを家政婦として雇いたいのかな、なんて思っていたが、まさかこんな形で責任を取らなければならないとは。
「…………」
───責任の所在ゆえの婚約。
何だろう。すごくもやもやする。
考え過ぎかもしれないが責任云々でこういった話が進んでも良いのだろうか。
それにあの夏油君が自分の知らないところで取引みたいなことをしていたのが少しだけ引っかかった。
直接言ってくれたら良いのにと思う反面、もしかしたら気まずくなるのが嫌だったのかなとも思う。
いや、でもそれだったら在学中に婚約するだなんて話にならないだろうし……。
「よく分かんないな………」
胸の内がはっきりとしないまま、ぼんやりと思い悩む。
どうして自分がこんなにもショックを受け、もやもやとしているのか。何だか胸がたまらなく苦しく戸惑ってしまった。
◇◆◇
数日後、五条君と夏油君が任務から帰ってきた。
何だか顔を合わせづらいなと思いそそくさと寮の自室に戻ろうとしたが、久しぶりに同期四人で外へ食べに行くことになった。
最初は体調悪いと言って断ろうとしたのだ。
けれど「セナが行かないなら今回はやめとくか」と硝子ちゃんが善意100%で言うものだから、嘘をついた罪悪感と自分一人のせいで予定が流れてしまうことに耐えきれず「や、やっぱり行こっかな!」と了承してしまった。
自分の意思の弱さが恨めしい。
そして現在、高専近くの焼肉屋で肉を焼いている。
父の電話のこともあって夏油くんと目が合わせられないし、話しかけられても挙動不審になってしまう。
目の前に硝子ちゃん、横に五条君が座っているため夏油君からの距離は少しだけ取れているが、(私が一方的に)気まず過ぎて肉の味が分からなかった。
「………これ、焼けてるから五条君食べて良いよ」
「松本さんが育ててた肉じゃないの?」
「松野浦だよ。それに私、お腹いっぱいだから……」
何も考えず隣に座る五条君にカルビを取ってあげる。
五条君からは今も昔も名前を覚えられないし、硝子ちゃんや夏油君と違って未だに『さん』付けされている。
彼曰く、私と顔を合わせる度に初対面の人間と会っているような感覚がするらしい。
お互いの性格からかあまり関わることはないけれど、だからと言って不仲と言うわけではなく、こうやって普通に関わることはできていた。
そんな私達を見て夏油君が「餌付けみたいだな」とぽつりと言う。
それに五条君が切れかけているが……。
ていうか夏油君、結構普通だな……。
焼肉屋に着くまでも夏油君はいつも通り、しれっとしていた。
私が挙動不審になっているにも関わず、いつも通り任務について話すし、留守だった時の高専の様子について聞いてくる。「まだ暑いね」と言いながら上着を脱ぎ、世間話をする彼がよく分からなかった。
あれ?もしかして気にしてるのって私だけ?
夏油君は私のことが好きで父に婚約することを提案したのかな、なんて思ったこともあった。
責任云々は建前で私のことが好きだからあんなことを父に言ったのかもしれないと。
だけどもしそうなのだとしたら私に面と向かって好きだから付き合ってほしいと言えば良いし、私を飛ばして先に父から話を通すだなんて順番がおかしかった。
それに今こうやって淡々としている夏油君を見ると、私のことが好きで婚約を提案したという線がますます薄く見えてしまう。
もやもやとしながらも、焼いている肉を無心で見つめる。
ぱっと顔を上げた瞬間、夏油君と目が合いそうで怖い。ていうか斜め前から視線を感じるような気がした。
「夏油、顔が怖いぞ」
硝子ちゃんが何か言っている。
とりあえず育てた肉を再び五条君の皿に分けてあげた。
お店を出てからも、私は夏油君との婚約が頭をよぎってしまっていた。
前を五条君と夏油君が歩き、私は硝子ちゃんとぽつぽつと話しながら帰路につく。
「どうした?お腹いっぱい?」
「うん、ちょっと……」
硝子ちゃんとの会話の傍ら、どうしても夏油君のことを考えてしまう。
駄目だ。一旦別のことを考えよう。このまま夏油君のことで頭がいっぱいになってもやもやしていたらパンクしそう。
どうでも良いことを考えるんだ。そういえば最近実家でハムスターを飼い始めたとか言ってたな……。理子ちゃんが学校の友達から譲渡したって……。
そんなことを考えているといつの間にか高専に着いていた。五条君達と別れて硝子ちゃんと寮へ戻ろうとする。
しかしその時、夏油君が私の方まで近寄り小さな声で聞いてきた。
「松野浦、ちょっと二人で話せないか?」
彼にそう言われて固まってしまう。
おそらく夏油君の口から婚約の話をされるのだろう。
「責任とって自分と婚約するように」とか「好きでも何でもないけど、味覚を変えたんだから責任とれ」とか……。そう言われてしまうかもしれない。
そして五条君と硝子ちゃんと別れて、大人しく夏油君の後についていく。まるで断頭台に登る罪人のような気持ちだ。
「君の父さんから私達の婚約の話は聞いているかい?」
「はい、聞いています……」
「何で敬語?」
いつの間にか寮の裏に着いていた。
歩みを止めた夏油くんの問いに言われるがまま頷く。
「松野浦さえ良ければこの話を進めないか?そうした方が色々と良いだろう」
色々って何が?とは聞かなくても何となく分かる。
松野浦家は夏油君に目を付けられることなく、むしろ身内として引き込むことができる。夏油君のメリットはよく分からないが、私達一族の加護を受け続けることができるのだから良いのかもしれない。
………でもラッキーなのかな。見知った夏油君と婚約できるのは。よく知らない人よりも彼の方がよっぽど良いのかもしれない。
そもそも夏油君の味覚を変えた私が悪いのだ。
昔彼に対して「助けたい」と言ったのは事実であり、まさかこんな形になるとは思いもしなかったけれど、夏油君にとっても松野浦家にとってもこれで良かったのだろう。
───そうなんだ。これは良いことなんだ。
私抜きで話が進められていたことも、責任の落とし所として夏油君と私が婚約することも良いことなんだ。
呪術師の家では情といった感情で身内になったりすることは滅多にないのだから。
そう思っていると、何だか考えすぎて段々悲しいような虚しいような気持ちになってきた。
夏油君の言葉に素直に頷く。
すると彼はそのまま黙り込み、私達の間に奇妙な空気が流れ出した。
どうしたんだろうと思い顔を上げれば、夏油君はじっと私を見つめていた。
もしかしたら彼もきっと気まずく思っているのかもしれない。夏油君から提案したこととはいえ、私達は同級生であり、互いをそういう目で見たことがなかったのだ。
そっか。彼もそうなんだ。
とりあえずこの気まずい空気をどうにかしようと思い口を開いた。
「松野浦のことが好……」
「でもびっくりだよね。お互い好きでもないのにこんなことになっちゃうなんて」
その瞬間、夏油君はぴしりと固まってしまった。
何か言いかけていたような気がして尋ねてみれば「何でもないよ……」ととてつもなく暗い顔で言われる。
「………ちなみに松野浦は好きでも何でもない男と結婚するのはどうなんだ?」
「出来たら好きな人と結婚したいけど、そういう相手もいないし……。それに呪術師の家って恋愛結婚の方が難しいから、まあ、こんな感じなのかなって」
「こんな感じ………」
夏油君にそう言われて、先程まで考えていたことを話す。半ば自分に言い聞かせるようにそう言ってみせれば夏油君は項垂れてしまった。
そして彼はそのまま動かなくなる。
「夏油君?」
すると彼に「先に寮に戻っててくれ」と言われてしまった。暗い影を落として項垂れる夏油君から、少しだけ殺気が漏れていたため、慌てて先に寮に戻ることにする。
少し落ち込んでいたような、怒っていたような気がした。
でも夏油君の方から『責任の所在』とか『そうした方が色々と良い』とか言ってきたのだ。
彼が私に対してその気がないというのなら、こうやって不機嫌になられても困ってしまう。
◇◆◇
「あいつ悪魔かよ」
一部始終を見ていた五条と家入が藪から現れる。
そして松野浦の残酷とも言える言葉に五条は珍しく本気で同情した。
しかしそれに夏油は何も反応しない。今起きたことを受け止め切ることができず茫然としていた。
夏油は松野浦に自分との婚約について話(釈明)をしたかっただけであった。
松野浦の意思関係なく外堀を埋め話を進めたのだ。本人もきっとさぞ混乱しているかもしれないと思っていたが……。
松野浦から面と向かって改めて「何とも思ってない」と言われるのはさすがに耐えた。
松野浦の加護によって呪霊の味が消えストレスフリーの状態で過ごしていた最中、特大の衝撃が夏油に襲いかかる。
「大方セナを無視して外堀から埋めたんだろ?あいつのことを気に入っていても、それだけじゃ肝心なことは伝わんないだろ」
そんな夏油に対して家入が尤もなことを言う。
だからこそ松野浦が頷いた瞬間、想いを伝えようとしたのだ。玉砕したが。
「いや、あれだけやって傑の気持ちに気付かないあいつもやべーよ」
「それは言えてる」
五条や家入がこそこそと言い合う。
すると五条は夏油を覗き込み、はっとした表情をした。
「し、死んでる………」
「まじかよ」
死んでない。しかしそれを返す余裕もなかった。
◇◆◇
やっぱり夏油君に謝ろう。
彼の真意は分からないが、私の態度で傷つけてしまったようなのは確かだと思う。
しかしその翌日、早朝から任務があり高専に帰って来れたのは一週間後になってしまった。一応メールで変な空気にして申し訳ありませんでしたみたいな連絡はしたが返事が返ってこない。
もしかしたら何かあったのかと思ったが、もしそうだったら補助監督の人から教えてくれるだろう。
そもそも謝っても許してもらえるだろうか。「私が怒っている理由が分からないくせに頭を下げに来たのかい?」とか言われないだろうか。い、言いそうだな………。
───高専に帰り、まず夏油君に再度謝ろうと彼を探す。
高専内にはいるみたいだが、正直彼がどこで何をしているか検討もつかない。
硝子ちゃんだったら喫煙所、五条君なら……、いや五条君もよく分からないな。
「あれ、松野浦先輩?」
すると道中後輩の灰原君と鉢合わせた。
灰原君は元気よく私の方に駆けてきて、溌剌とした笑みで「お疲れ様です!」と言ってくれる。
なんて良い子なの……。灰原君に会うたびにそう思っているのだが、彼のその気質が眩しくて仕方がない。呪術界では珍しいタイプの子だ。もっと業界全体で大事にするべきである。
「灰原君、夏油君って見かけたりした?」
そんなしょうもないことを考えながら、夏油君がどこにいるか聞いてみる。
すると彼は「西棟の休憩所にいましたよ」と答えてくれる。
「あとめっちゃ暗かったです」
「暗かった?」
「落ち込んでましたよ。話しかけても上の空みたいで」
それに何と答えたら良いか分からず、とりあえず頷いておく。
「松野浦先輩、何やらかしたんですか?」
「わ、私?」
「夏油先輩があれだけ落ち込んでるってことは大体先輩関連じゃないですか」
「いや、そんなことはないと思うけど……」
「そもそもお二人は付き合ってるんですよね?」
「付き合って………は、ない」
「付き合ってはない?」
あれ?婚約はしてるけど、これって付き合ってるとは言えてるのかな。
首を傾げる灰原君に私まで首を傾げてしまう。
そして再度付き合っていないとはっきり言えば、彼は納得していなさそうな顔をして頷いた。
灰原君に教えてもらい外に併設された休憩所に行けば、木陰のベンチに夏油君が一人で座っていた。
珍しいことに髪を結ばず、高専の制服ではないラフな格好をしている。
下を向いているためどんな顔をしているか分からない。
ただ黒い影を落とす夏油君はどこか異様な雰囲気で声をかけるのも憚られた。
め、めちゃくちゃ暗いな……。何だろう。闇堕ち一歩手前みたいな雰囲気だ。
灰原君の言葉通り、落ち込んでいるような様子の夏油君に意を決して近寄る。
「げ、夏油君?」
「………………松野浦?」
名前を呼べば、彼はゆるゆると顔を上げた。
何と言えば良いのか分からず「ええと、その……」としどろもどろと口籠ってしまう。
「この間は変な感じにしてごめんね」
とりあえず謝らねばと思いそう言えば、夏油君は少しだけ罰が悪そうな顔をした後、彼は静かに首を振った。
「私が勝手に進めた話なんだ。松野浦が謝ることじゃないよ」
それを聞いてほっとする。しかしまだ夏油君の表情は晴れない。
すると今度は彼の方から話し出した。
「私と一緒になるのが嫌だったら、この話は無かったことにしよう。それに私の味覚を変えたことに、そもそも責任なんてものは発生しないんだ。松野浦家が気にすることじゃない」
そうこぼす彼を前に立ち尽くしてしまう。
そしてそんな落ち込んでいる様子の夏油君を見てふと思った。
夏油君と一緒になるのが、果たして私は嫌なのだろうか。
いや、違う。私はただ自分の素知らぬところで話が進められ、責任の所在ゆえに婚約することが嫌だったのだ。
そこでどうして自分がそのように思うのか思案する。
彼のことは出来る限り手助けしたいし、何かしたいと思う。それに少しだけ生きづらそうな夏油君をどうにかしたいとも感じていた。
それを考えた時、ストンと答えが分かったような気がした。
私は夏油君のことが好きだったから、責任の所在という形で婚約が決められたことにショックだったのかもしれない。
「い、嫌ではないです」
「ん?」
そのことを自覚した瞬間、顔が一気に熱くなる。
そして私はしどろもどろになりながら言った。
「私、この間夏油君のこと何とも思ってないって言ったけど、本当はそうじゃないよ」
夏油君に責任の所在とか関係なく一緒になれたらどんなに良かっただろう。
だから責任云々で仕方なく婚約するという事実が嫌だったのかもしれない。
きっとそのせいで私はたまらなく傷付いたのだ。
「こんなこと言われたら困るかもしれないけど、責任の所在とか、そういったことを抜きにして夏油君と一緒になれたら良いなって思ってたんだ」
するとその時、夏油君はゆらりと立ち上がった。
信じられないような顔で私を見つめた後、一瞬にして彼の目つきが変わる。切長の瞳はゆるく細まったが決して笑っているというわけではない。
そして身体の大きさも相まり、巨大な獣のような雰囲気を出す彼が少し怖かった。
「つまりそれは、松野浦は私のことが好きということで良いんだな?」
「う、うん。その通りです……」
「君が話していることを整理すると、本当は私のことが好きだったが、責任とかそういったことで無理矢理婚約するのが嫌だったんだな?」
「そうなのかな……。いや、そうなんです。面倒くさくてごめんなさい」
こんなこと言われても困るよね。ごめん。そう改めて言おうと口を開いたが、その前に夏油君に抱き締められる。
長い腕がしっかりと私の体に絡みつき、慌てて距離を取ろうとしてもびくともしなかった。
離してほしいと言っても腕の力が抜ける気配がない。
何で、と思う前にさすがの私でも今このタイミングで抱き締めてくる意味を察することができた。
これってそういうことだよね?このタイミングで抱き締めてくるってことは夏油君も私と同じ気持ちかもしれないと期待してしまう。
彼の味覚を変えたことでこんな風になったけど、それだけじゃないということを知りたかった。
「好きだよ、松野浦。一生幸せにする」
「あ、ありがとう……」
体が熱くて仕方がない。きっと赤くなってしまっているから、私はいつまでも顔を上げることができなかった。
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