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「…薫、俺の結婚して、土方つー名字にならねぇか?」
「けっ…こん?」
「これで、歳三って呼ばなきゃいけない理由になるよな?
あんな事、言ってたが、お前はまだ俺の事“土方さん”呼びするか?」
「え?え…?」
頭が追い付かない。
何?
私は彼に…
「プロポーズされた…の…?」
「何だ、まだ分かってねぇーのかよ。」
軽く笑う彼。
私はいつの間にか涙が溢れた…。
「おい、泣くほど嫌だったか?」
「ち、ちがいます。」
違うんです…
「私なんかで…いいんですか?土方さんの結婚相手が私で。
土方さんの貴重な三つのプレゼントの一つで…」
「ばか野郎。いいから言ってんだよ」
コツン...
土方さん…歳三さんは私の額に自分の額をくっつけた。
「もう一度言うぞ、薫。
……俺と、結婚してくれないか…?」
額と額をくっつけたその距離は狭い。
彼は私に視線を渡しながら、ゆっくりと微笑む。
「…返事は?」
「土方薫って名乗るんですよね?」
「あぁ」
「土方さんじゃなくて、歳三さんって呼ぶんですよね?」
「あぁ」
「私に…私に貴方の妻は務まりますか…?」
「当たりめぇーだ。
俺はお前に惚れてんだ。
お前しかいねぇーよ」
その言葉が私の心にあった何かを安らげた。
くっつけてた額を離して、私は一旦歳三さんから離れて正座する。
「薫?」
歳三さんを前に三つ指を付く
「不束者ですが…よろしくお願いします!」
一度やって見たかった物をやると、歳三さんはフッと笑うと私の目線に合わすように片膝を立てる。
そして……
どちらとでもなく、唇を合わせた。
「こちらこそ、よろしくな。薫」
それだけ言うとまた唇が重なる。
5月5日....
私の大好きな人の誕生日。
そして大好きな人と結ばれた日…
next.
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