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「一つ目は薫、お前から俺に抱き着いて、キスしてくれ。」


「え、え!?」



な、何だ!この羞恥で破廉恥なプレゼント!



「お前が出来る範囲だろ?…しかも、今日は俺の誕生日だろ?」


「うっ…」


そう言われると...


「やるしかねぇーよな?」


ニヤリとシタリ顔で言ってのける土方さんに仕方なしに覚悟を決めた。


「うぅ〜っ!
分かりましたよ!やりますよ!も〜!」



後ろにいる土方さんに正面を向ける。


変な汗が体から出てるのを知らんプリして土方さんに抱き付いた


幸か不幸か、土方さんよりも数十センチ小さい私は彼の胸元に顔を埋め、腰に手を回した。




「……土方さん、少し屈んで下さい。」



「あぁ」



そう言って少し屈んだ土方さんに背伸びして、彼の唇に軽くキスをした。



「〜〜っ」


今になって恥ずかしさが込み上げる…。






元の体勢に戻った土方さんの胸元に私は顔をギュュと埋めた。


恥ずかしいんだもん



「ったく、可愛い奴だな。」


頭に彼の手が乗る。

表情は分からんが、声色だけで彼の顔が想像つく。

きっと、ニヤケてるだろう…






「〜っふ、二つ目は何ですか!」


「まぁそう焦んな。取り敢えず、座ろうぜ」


すぐに終わらせたいこのプレゼント。


こんなのがあと二つもあると思うと、早く終わらせたいのは分かるでしょ?


しかし、そうさせないのが土方さんの性分で…



ソファーに座ると、私の髪を撫でながらニヤニヤしている。




これは…まずいな。



「…二つ目のプレゼントだが…」



「な、何…?」


身構える様に緊張する私に彼は笑いながら、固くなるなよと言った。



「二つ目だが……俺の名前、呼んでくれないか?」



「……へ?」


思わず拍子抜けした声が出た。


名前って…



「いつも呼んでるじゃいですか。“土方さん”って…」


「バカ。それは名字だろ?…名前だよ。俺…な?」



「名前って…」



「歳三だ。」



そっちですか!


そ、そんないきなり…

付き合ってから三年経つけど…ずっと土方さん呼びだったじゃないですか…!


「…薫、呼んでくれるよな?てか、呼ぶよな?」



命令形で言われたが考えれば今日は彼の誕生日な訳だし…。



「と、歳三さん?」



「…っ」


「あ〜恥ずかしい〜
名前呼びって緊張しますね!土方さん!」



「おい、何ですぐ土方さんに変わんだよ。
今日から、歳三呼びだからな。」



「なっ、そんなの、慣れないんですから!
だいたい、土方さんの方が呼びやす…「三つ目だ」…」


この人、私の言葉遮ったよ!


「何で名前呼びじゃないとダメなんです?
まだいいじゃないですか!もう少し、月日を重てから…」



ここまで、土方さんを罵声を浴びさせた。

しかし、この後、土方さんからとんでもない事が言われる。






「……土方って名字にならねぇか?」





「………はい?」


耳を疑った…。



ん?彼は今、何て言った…?


《土方って名字にならねぇか?》


土方って名字…?

「……えっ?」

思考停止する頭。
真横いる彼に顔を向ける。


すると驚く事に、彼の顔は耳までも真っ赤だった…



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