6陸


Side Xxxx.X




思ったよりもまずいことになっている、

そう気付いた時にはもう遅かった。







少し強引すぎたかな。

でも手段を選んでる時間は無かった、と思う。



恐怖に足が竦んでヒステリックになってしまう人が出てくる前に、どうにか言葉で説明してここまで立ち上がらせてみたはいいものの…。




(どうする……。この状況では、僕は何も出来ない…!)




でもこの倉庫のどこかに爆弾が仕掛けられているのは確かだ。


耳をすまさないと聞き取れないほどだが、微かに異音がするのだ。

かつて嫌になるほど聞いていた、いつまでも聞き慣れないカチカチカチと何かが何かを刻む音が。



しかも電波妨害までされているときた。

これじゃ、外に連絡が出来ない。




(簡単なものなら僕にも解体できる…けど、)



大体こういう犯罪で使用される爆弾は然程実践経験のない人間が易々と解体出来る代物じゃない筈。


そうはいっても、僕以外の誰かがこの異音の発信源を見つけるのはまずい。

それこそ集団パニックになりかねない。

この人達を一先ず安心させるために分からないフリをしたのに、一瞬ですべて無駄になってしまう。



とりあえず他の人達よりも早く爆弾を見つけて、電波妨害も解除しないと。





(それにしても…、)



僕は少し離れた場所で保護者?の女の子達と箱の中身を確かめている、小さな少年を横目に見る。


どうやらそこの小さい子は此処に爆弾が仕掛けられてることまで気付いてるみたいだけど…。

そもそもこの子は一体何者なんだ?きっと普通の子どもじゃない。

気になり過ぎるけど、今はそんなこと追求してる場合じゃない。



他の人は恐らくまさか此処に爆弾があるなんて微塵も思っていないだろう。

じゃなきゃ、皆がこんな前向きに脱出しようと行動してくれない。流石に恐怖が勝って動けなくなってしまう。

それじゃあダメだ。
この人たちが生きる事を諦めてしまうのはダメだ。


此処から脱出する。せめてそんな前向きな気持ちだけを持って欲しかった。

だから、僕は嘘をついた。





犯人は最初から、僕達を全員殺すつもりで此処に閉じ込めた。


だから犯人は此処に戻ってこない。
僕達は『人質』ではなく『犠牲』だから。

犯人の計画ではいずれ此処を爆発させて、僕達は全員死ぬ予定だからだ。




"この倉庫には恐らく、爆弾が仕掛けられてます。"

"私達はその爆弾に対する『人質』です。"

"私達は最初から『無能な警察の犠牲』として用意された『捨て駒』なのでしょう。"






なんて、言えるわけない…!


ダメだ。
このままじゃ、全員ぶっ飛んでしまう!










どうにかして彼らに伝えないと…!







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