V(完)
風姫は身体を清める湯あみを終えて、清められた姫巫女の服に着替えると…突然“青龍”によばれた。
「青龍…?」
気付けば身体は不思議な空間にあり、風姫は仮の地に足をつけた。
目の前には巨大な青い龍の姿…ここは青龍と風の姫巫女が対話出来る空間だ。
《風姫…皇族に嫌な風が吹いている》
「はい…私も感じました」
心配そうな表情をした風姫。
《我ら四神獣のちからを使って闇をはらえ》
「はい…秋姫もお願い・・・」
風姫は願う…闇をはらへと。
彼女の霊神力が風姫の身体から溢れた。
同時刻。
内裏の上空にどす黒い雲が集まっていて、辺りは夜でもないのに暗闇に包まれていた…。
「姫巫女様方…」
内裏にいた上巫女、下巫女達が、空を見詰めて不安そうな顔を浮かべている。
「巫女達は何をしているのだ!」
「まったく結界が役に立っていないではないか!朱姫!!」
自分が偉いのだと思い込んでいる男性の皇族達は、怒鳴るだけでなにもしない。
「結界をもっと強くして!民を護りなさい」
指示を出したのは“朱姫”こと、朱雀にすべてを捧げた火の姫巫女だ…。
すると結界が強くなり、結界の外に風が吹いた。
「あの風…風姫ね」
風はどす黒い雲を追い払うように吹いている。
それを庇護するように光が耀く…白虎にすべてを捧げた“秋姫”こと白の姫巫女。
「朱姫!東南から牙の一族が攻め込んで来たの!」
弓矢を手に走って来た彼女は、玄武にすべてを捧げた黒の姫巫女…名を“水姫”。
「なんですって…?」
逢麟国は闇に包まれた…。
敵対していた牙の一族により、皇族の者は皆殺しになったのだ。
「弥琴様ッ…!」
風姫の目の前で、首をはねられて無残に散っていく弥琴の姿…赤い紅い花びらが、大量に舞った。
(…私も同じ様にしてくれればいいのにッ…!!)
姫巫女はそうはいかない…四神獣にすべてを捧げた姫巫女達は、宿敵である牙の一族のために働かなければならないのだ。
「私が“姫巫女”でも、“風姫”でもなければ…あなたと一緒にいられましたか?」
(弥琴・・・・・)
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風姫は身体を清める湯あみを終えて、清められた姫巫女の服に着替えると…突然“青龍”によばれた。
「青龍…?」
気付けば身体は不思議な空間にあり、風姫は仮の地に足をつけた。
目の前には巨大な青い龍の姿…ここは青龍と風の姫巫女が対話出来る空間だ。
《風姫…皇族に嫌な風が吹いている》
「はい…私も感じました」
心配そうな表情をした風姫。
《我ら四神獣のちからを使って闇をはらえ》
「はい…秋姫もお願い・・・」
風姫は願う…闇をはらへと。
彼女の霊神力が風姫の身体から溢れた。
同時刻。
内裏の上空にどす黒い雲が集まっていて、辺りは夜でもないのに暗闇に包まれていた…。
「姫巫女様方…」
内裏にいた上巫女、下巫女達が、空を見詰めて不安そうな顔を浮かべている。
「巫女達は何をしているのだ!」
「まったく結界が役に立っていないではないか!朱姫!!」
自分が偉いのだと思い込んでいる男性の皇族達は、怒鳴るだけでなにもしない。
「結界をもっと強くして!民を護りなさい」
指示を出したのは“朱姫”こと、朱雀にすべてを捧げた火の姫巫女だ…。
すると結界が強くなり、結界の外に風が吹いた。
「あの風…風姫ね」
風はどす黒い雲を追い払うように吹いている。
それを庇護するように光が耀く…白虎にすべてを捧げた“秋姫”こと白の姫巫女。
「朱姫!東南から牙の一族が攻め込んで来たの!」
弓矢を手に走って来た彼女は、玄武にすべてを捧げた黒の姫巫女…名を“水姫”。
「なんですって…?」
逢麟国は闇に包まれた…。
敵対していた牙の一族により、皇族の者は皆殺しになったのだ。
「弥琴様ッ…!」
風姫の目の前で、首をはねられて無残に散っていく弥琴の姿…赤い紅い花びらが、大量に舞った。
(…私も同じ様にしてくれればいいのにッ…!!)
姫巫女はそうはいかない…四神獣にすべてを捧げた姫巫女達は、宿敵である牙の一族のために働かなければならないのだ。
「私が“姫巫女”でも、“風姫”でもなければ…あなたと一緒にいられましたか?」
(弥琴・・・・・)
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