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いもむしを見送ったあと、ハートの女王は花壇の脇に人型の姿で倒れている彼、トカゲの側に行った。

「リザード、大丈夫?」

ハートの女王が声を掛ければ苦しそうな声が聞こえる。トカゲも先ほどのいもむしと同じくこの花壇に住み着いている住人であり、彼の好む水タバコの一番の被害者である。

「リデル...たすけ、て...」

助けてくれとハートの女王を見上げていた顔はガクッと力無く地に付し、パッと姿をあるべきトカゲの姿へと戻した。

「ぅう...気持ち悪い...」

(うん、リザードの切れたしっぽがきもちわるい...!)

いもむしの水タバコに苦しんでいるトカゲには悪いが、彼の切れたしっぽがうねうねと動いているのを見ているこちらも気分が悪い。

「これから夕飯だけど、食べていく?それとも休んでいく?」

気持ちを切りかえてハートの女王はトカゲをそっと撫でてから自分の手のひらに乗せた。
するとムクッと顔を上げてトカゲは言う。

「ああ、後で生きた昆虫とかねずみでもいいからくれ...」

その言葉に、ハートの女王は動きを止めた...。

ーーーきもちわるいからやめて!!

彼とこのやり取りをするのは、いつもの事である。どれだけ時間が経っても受け入れられない事もあるのだ。

「後で鶏肉を用意させるから!お腹すいたからってナイトを食べようとしないでよ!?」

前に何回かあったのだ。
チェシャネコが眠りねずみを追い掛けるのは解る。猫がねずみを追い掛けるのは良く見掛ける光景だ。
だが、トカゲが眠りねずみを追い掛けるのは少々シュールだと思う。
今はハートの女王の手のひらに収まるトカゲだが、眠りねずみを追い掛ける時の彼の姿はとても大きい。
なんでもトカゲ界で最大の大きさとされる大型のトカゲらしい。

「鶏肉か、ちょっとした大きさの哺乳類なら何でも食うぞ!」

「......ちゃんと言っておくから、もうやめて下さい」



仲良くなっても彼はトカゲ

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