01


‐星羅の部屋‐
夜。中にいるのは星羅だけ。

「…また、やっちゃったな…///」

星羅は、ベッドに寝転びながら今日の放課後のことを思い出している。

「何で、桜木純也の前で泣いてるんだろ…これで、2回目だし……」

一人で、しゃべっている星羅。

「星羅ー♪」

いきなり、ドアが開きルナが入って来る。
星羅は、体を起こして言う。

「ルナ…」

「夕飯の時間だよ」

ルナは、ドアのところに寄りかかりながら言った。

「もう、そんな時間…?」

星羅は、ベッドから下りてドアの方に行く。

「ねぇ、星羅?」

部屋を出たところで、ルナが控えめに星羅に言う。

「なに?」

「…泣いてたでしょ?…放課後…」

ルナは、まっすぐに星羅を見つめて核心をついてくる。

「!?…分かっちゃった?」

星羅は、核心をつかれつつも笑いながら返す。

「解るよ…あんたが私を解るように...私も……」

「「……………」」

2人の間に深い沈黙が流れる。

「2人ともー早く下りて来なさい!」

星羅の母(黒木ミーヤ)が、リビングから呼んでいる。
2人は顔を見合わせて笑い、星羅が言う。

「行く?」

「行くー」











‐リビング‐

星羅とルナは、仲良く夕飯を食べている。
珍しく、炎騎はいない。

「おいしい?…ところで今日は、炎騎ちゃんはいないの?」

星羅の母親のミーヤは椅子に座り、2人に聞く。

「「いない」」

食べながら、2人は同時に即答する。

「あらあら…ルナちゃんにまで言われちゃって…」

優しく微笑みながら話すミーヤ。

「今日は、星羅と一緒がよかったの♪」

今日のルナは、炎騎はどうでも良いらしい。

「たまには、いなくてもいいんじゃない★…だってルナは私のだし…」

ルナは自分のだと主張する星羅。
ルナは、星羅に微笑み返して言う。

「星羅は、私のだしね〜…桜木純也には、あげないから♪」

途中、黒笑のルナ。

「!!?…ゴホッ…///何で、桜木純也!?」

驚き、ご飯をつまらせる星羅。
ミーヤは、楽しそうに2人を見ている。

「ふふ…桜木純也って誰かしら?」

「ちょっと!お母さんに変な情報あたえないでよ!!」

星羅は、すごく焦っている。

ルナは、すっごい笑顔で言う。

「炎騎のときのお返し♪ちゃんと受け取ってね?」

ものすごくルナが怖い。

「………まだ、根に持ってたんだ…ここで返してくるなんて………」

顔がひきつりまくっている星羅。
そんな星羅とルナを見て微笑んでいるミーヤこと、星羅の母。











‐お風呂‐

夕飯を食べ終わり、お風呂に入っている星羅とルナ。

「ねぇ、何で…炎騎のこと好きなの?」

浴槽に2人して浸かって、いきなり話を切り出す星羅。

「へ?…何?いきなり…っていうか、今さら…」

ルナは、少しテレている。
何だか真剣な感じの星羅。

「…気になったから……もしかして、炎騎の“音”好きなのかなって..思ったから」

ルナは、一瞬だけ驚いたが星羅に笑顔を向ける。

「そうだよ…最初は、炎騎のこと認識してなかったし...それに、あいつの“音”キライだったし…?」

悪びれもなく言いきるルナ。
星羅は、苦笑しつつ言う。

「マジか…」

ルナには、聞こえていないみたいで炎騎のことを話している。

「さすがに、そこまで“一緒”じゃないよね…」

星羅は、一人言をつぶやく―――――


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