02


‐音楽室の前の廊下‐

(…桜木、純也…あなたは..誰を想って、その曲を弾いてるの…?)

星羅は、瞳に涙をためながら‘不安’が込み上げてくる。

「私…ッ…」

星羅は、勢い良く目の前の戸を開ける。

「ッ…誰のために…弾いてるの?」

言ったあと、泣き出してしまった星羅。
そんな星羅に驚いているが、真剣な表情で答える純也。

「俺の、好きな人」

「…ぇ………?」

星羅の頭の中が真っ白になる。
純也は、星羅に近づきながら話を続ける。

「俺のピアノを変えてくれて、それでこの俺に初めて組みたいと思わせた奴…」

「…キャッ!?」

純也は、星羅を音楽室の中へ引っ張り込んで抱きしめる。
そして、耳元でささやく。

「お前だよ。星羅」

(……ぇ///…?)

驚き過ぎて解ってない星羅。完全に固まっている。
そんな星羅に対して純也は苦しそうに言う。

「…お前が、俺を嫌いでも...これだけは伝えたくて……」

純也の腕に力がこもる。


“はなしたくない”と……



星羅は、だんだんと状況を理解していく。

(…私は、あんたのことッ…)「スキ!!」

星羅は、そう想って同時に言葉という音になる。

「私は、あんたのことキライじゃないッ…!!…スキッ…なの……」

泣きながら想いを音にする星羅。

「本当、に…?」

純也は信じられないという感じだ。
そんな純也にわかってほしくて瞳をまっすぐ見つめて言った。

「純也も!純也の音も!!…スキッ…」

(………!?/////)

星羅は純也に必死に手を伸ばし、精一杯の背伸びをして…頬にキスをしたーーーーーーーー


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