02


次の日の朝‐通学路‐

「は〜…学校行くのイヤだな…」

小さな声でつぶやく星羅。
すると後ろから、ど突かれる。

「星羅ー!」

ルナだ。隣には、ファイアーレッドの髪と瞳の男子。
ギターを後ろに背負っていて、めっちゃバンドやってますって感じの火宮炎騎。ルナの彼氏。

「…はよ……」

眠たそうに、あくびをしながら言う炎騎。

「…おはよ」

「2人ともテンション低いよ!」

朝から、元気なルナ。

「あんたが、ウザすぎなんだって♪」

笑顔で、ルナに言う星羅。

「……………………」

沈黙のルナ。

「…またか…」

めんどくさそうな感じの炎騎。





‐流星学園 2年5組の教室‐

「ねぇ、炎騎」

ルナは自分の机にカバンを置き、後ろの席の炎騎に話しかける。

「何だよ」

ギターを置きながら答える炎騎。

「新しく歌詞を書いたんだけど…」

カバンの中を探しながら言うルナ。

「ああ、新曲のやつか…」

炎騎は、椅子に座る。
ルナもカバンから楽譜を出して炎騎の方を向きながら座る。

「昨日、呼んだのに来てくれなかったし…」

「あ、悪い…昨日、練習してて…本当にごめん!」

炎騎は、まずいって顔をしてルナに謝る。


一方、そんな2人を廊下から見ている星羅。

「…………………」






星羅Side
教室に行き、カバンから急いでファイルを出す。
昨日は、ルナに悪いことしたかなとか思ったから家に帰ってから自分のできる範囲で歌詞を書いた………


それを持ってルナたちの教室に向かった。・・・
でも、やっぱり私のしたことは.....いらないことなんだよね……

2人のやりとりを見て、そう思ったよ………



‐2年5組の廊下‐

「…戻ろっか…」

星羅は、小さな声でつぶやく。
歩き始めると曲がり角に差し掛かる。

「…!きゃっ…」

気づくと誰かにぶつかって…そして、楽譜が舞う。

「大丈夫か?黒木」

頭の上から声がする。
星羅は、慌ててはなれる。
青い髪と瞳。キレイ系の男子。彼は、桜木純也。
周りからは、ピアノの天才と言われる。

「…ッ…ごめんッ…楽譜、拾う!」

慌ててるのを隠しきれてない星羅。楽譜を拾う。

「…できれば、順番に拾って」

そう言いながら、純也は拾わない。

「…………………」

無言で、順番に並べる。
拾い終わり、純也に渡す星羅。

「…はいッ…」

「うん、順番通り」

楽譜を確認する純也。
それを聞くと、星羅は走って行く。

「全然続かないな…会話」

星羅を見送りながら、言う純也。


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