プロローグ
 ̄ ̄ ̄ーーー_____
 ̄ ̄ ̄ーーー_____
これはまだ、私が生まれるよりもずっとずっと前の恋物語。
私がヴァイスに出逢い、何も知らない身勝手な人間によって魔族が滅ぼされるという...とても大切なあなたと私が紡いだ悲しい恋物語ではない。
あなたの相手をせず、城の図書館の奥で見つけたの。この本は本来の姿の魔族が使うにはとても小さく、人間の私よりもとても大きなサイズだった。
タイトルが書かれるはずの部分は摩りきれていたりインクか何かで塗りつぶされたようなあとがあったけど、Vという数字と金色の糸で刺繍された名前が残っていた。
“ジャスティス・サンライト・イブリース”
ヴァイスと同じファミリーネームだったから、図書館にあった魔族の家系図で調べてみたんだけど、驚いた。
その名前は、先代の魔王だった。
そして、血縁を示す“┳”の記号の下に書かれていたのは...
“ヴァイス・ファントム・イブリース”
あなたの名前。だから、この本を書いたのはあなたのお父様。
別れは少しさびしいけれど、それでもこの恋物語のヒロインはきっと、
私よりも心に幸せを抱き締めて逝ったんだと思うーーーーー
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これはまだ、私が生まれるよりもずっとずっと前の恋物語。
私がヴァイスに出逢い、何も知らない身勝手な人間によって魔族が滅ぼされるという...とても大切なあなたと私が紡いだ悲しい恋物語ではない。
あなたの相手をせず、城の図書館の奥で見つけたの。この本は本来の姿の魔族が使うにはとても小さく、人間の私よりもとても大きなサイズだった。
タイトルが書かれるはずの部分は摩りきれていたりインクか何かで塗りつぶされたようなあとがあったけど、Vという数字と金色の糸で刺繍された名前が残っていた。
“ジャスティス・サンライト・イブリース”
ヴァイスと同じファミリーネームだったから、図書館にあった魔族の家系図で調べてみたんだけど、驚いた。
その名前は、先代の魔王だった。
そして、血縁を示す“┳”の記号の下に書かれていたのは...
“ヴァイス・ファントム・イブリース”
あなたの名前。だから、この本を書いたのはあなたのお父様。
別れは少しさびしいけれど、それでもこの恋物語のヒロインはきっと、
私よりも心に幸せを抱き締めて逝ったんだと思うーーーーー
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