エピローグ

あの後、ヴァイスの機嫌を直すのに時間がかかった。彼は自分よりも遥かに長い時間を生きていて大人のはずなのに、妙に子供っぽいところがあるというのを知った。
まさか歴代の魔王が皆そうだったのかと疑ってしまうほどだ。

「いや、この場合父子だから遺伝...?」

あの“正義記V”の主人公であり、先代の魔王。それにヴァイスの父親である彼、ジャスティス・サンライト・イブリースという人物もなかなかのバカと言うか子供っぽいところが描かれている。
自分で書いたくせに、格好をつけきれていないところがまた可愛いところでもある。

「何だルキア、またジャスティスの事を考えているだろう」

「だって、あなたのお父様だもの。気になって当たり前でしょう?」

寝室のベッドの上で彼に膝枕をし、ルキアはまだ子供みたいにいじけているヴァイスの綺麗な漆黒色の髪を撫でながら嬉しそうに笑っていた。






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まだこの時は知らなかった。
大好きなあなたと一緒にいられないなんて...。

お互いが死してなお、あなたが私を探し続け、私はあなたに逢いたいと願い続けた。

その結果が遺伝子に作用して、あなたに逢えるまで救われない呪いとなるなんてーーーーー

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