みゆきちゃんと慢心
「お、帰ってたのか」
ホクホク気分でエコバッグを抱きしめながら、御幸の帰りを歓迎する。やけに機嫌いいな、なんてツッコミが入ったけど、実物を見せて自慢したかったのでまあね?と言葉を濁していると、先に御幸が話し始めた。
「‥実は、さっきの子告白でな?」
「あれ、マネージャーさんじゃなかったんだ」
「おー。それで、あの子可愛かったし、返事どうすっかな〜って思ってんだけど」
「ちっちゃくて可愛かったもんね〜ま、私は断然礼ちゃんみたいな大人のお姉さん派だけど」
「‥‥ん?」
御幸が目を丸くして固まるのもお構いなしに、私は持参のエコバッグから購買で手に入れたパンたちを御幸の机に放り出した。
「それより見て!!これ!レアパン!まさかのパンとパンの間に挟まって隠れててさ‥!」
「‥‥おー」
「御幸も知ってるでしょ?!特にこれ!1日3個のみという噂も名高い超高級クリームの‥」
「‥‥あー、俺、さっきの子ともっかい話してくるわ」
「え?あ、いってらっしゃい?」
御幸はおもむろに立ち上がって、そのままいそいそと教室を出て行ってしまった。なんだなんだ。慌ただしいやつだな。
「‥‥‥」
静かに一人で食べるレアパンはやけに味がしなくて、友達がいない昼休みってこんな感じなのかなと想像したら、なんだかんだ御幸を友達と認めてるみたいで無性に腹が立った。
そういえば今朝の星座占いで言ってたラッキーアイテム、ボールペンだったな。しょうがないから憂さ晴らしに、ボールペンで御幸の机にラクガキしておこう。これも行動だよ、うん。
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