みゆきちゃんと班分け



「こうがいがくしゅう」

黒板に書き出された校外学習の文字をそのまま読み上げると、御幸はおー、と興味がなさそうに返事をした。まあ、この歳になって遠足みたいなものをするとなれば、今時の若い奴はそう言う反応なのだろうか。

「野球部修学旅行は行けないんじゃなかった?こういうところで楽しまないの?」
「苗字と違って子供じゃないからなー」
「はいまた喧嘩売った歯ぁ食いしばれ」
「喧嘩すんなっつの!」

そういえば、私このクラスに友達いないんだった。もしかして私の修学旅行、ぼっち過ぎ‥?いやいや、自由時間くらいは別のクラスの子と遊んでも許されるでしょそのくらいの優しさは青道にだってあるはず‥‥

「班分けしてんぞ、参加しなくていいのかよ」
「余った女子組の予定」
「余った男子組の予定」
「悲しい奴らだな‥」

倉持くんの哀れみの視線を受けながら乾いた笑みを浮かべると、倉持くんが何やら頭を抱えて唸っていた。どうした倉持くん、偏頭痛か?

「四人ずつ分けてるみてーだし、このままだとここの三人組になるかもな」
「えっヤダ」
「俺だって嫌だっつの!」
「なんで男女混合なの?!リア充かよ!ひどい!差別だ!」

悲しくなって机に突っ伏したけれど、さっきからずっと黙ってる御幸に気付いて顔を上げる。
うわ、よく見たら口元ニヤついてんじゃん。きも‥じゃなかった、何笑ってんだこいつ。

「御幸」
「ん?」
「何キモい顔してんの」
「ははは、ひでーな」

御幸は先程の興味がなさそうな表情から一転、明らかに楽しみにしている顔をしながら、班分けの様子を見守っていた。
結局倉持くんは他の人と組むことはせず、優しさから私達の「余り組」に入ってくれたのもあってか、私と御幸と倉持くんの三人班になってしまった。悲しい、このままじゃお母さんの遠足の時しか作ってくれない特製お弁当しか、校外学習の楽しみがない。



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