「愛してるって、言ってください」

俺には、なまえの言っていることがわからない。一つだけわかるとするならば、彼女が今にも自害してしまいそうなほど、苦しそうな顔をしているということだけだ。

求められるままに、彼女の望む言葉を投げかける。なまえは酷く安心した顔をして、そっと俺に擦り寄った。あたたかい。人の、温もりだ。

「山姥切国広…私にはあなたがいないと駄目なのです」
「…そうか」
「私は、あなたと愛し合っていないとしんでしまうのです」
「………そうか」

審神者であるなまえが死ぬと、俺だけじゃない、他の奴ら全員が困ることになる。彼女の言う言葉の意味はわからない、けれど、俺達が生きるためには、仕方のないことだ。俺と審神者が並んで歩くたび、すれ違う奴らが哀れみの目を俺に向けてくる。写しだと蔑まれる時より、心の痛む視線だった。

「山姥切国広…ずっと、ずっとそばにいてくださいね、この身が、滅びてしまっても」
「………ああ、あんたがそう望むなら」

血色の悪い白い手が、俺の頬を滑る。欲に塗れた視線が、ねちっこく絡みついてきた。

……俺には彼女の言葉がわからない。きっとこの先、理解できる時は来ない。けれど彼女が、俺の主である限り、俺はきっと、彼女に応え続けるのだろう。


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