「堀川って、お嫁さんにしたいタイプだよね」
「え、お嫁さん…ですか?」
主さんの発言に、思わずきょとんとした。
僕の勘違いではなければ、お嫁さんとは女性がなるものだ。つまり、その発言を僕に言うのはおかしい、ということ。
そもそも、刀である僕達をそんな風に言うことさえ、少しおかしいのだけれど。
「朝起こしてくれて、お布団剥がれたけど、そのお布団を干してくれて、朝ごはんまで準備してるときた」
「ご飯は当番だったからで…それに起こすのも、毎日じゃないですよ」
「でもお布団干してくれてる…なんで?」
目の前で今もなお太陽の光を浴びて気持ち良さそうにしている布団を、少し布団叩きで小突いてみる。
なんで、なんて聞かれるとは思わなかったから、ぱふぱふと布団に攻撃しながら考えこむ。
どうしてだっただろう。なにか、感動を覚えたような、そんな記憶がーーー…
「はじめて…」
「……はじめて?」
「はじめて、干したての布団で寝た時…すごく、気持ちが良かったんです。だから、主さんにもそれを味わってもらおうと思って…かな」
上手く言葉をまとめられるようたどたどしくそう伝えると、主さんはとても嬉しそうに目を閉じて、小さく笑った。
「ふふっ、堀川と一緒にいられる人は幸せね」
「………そう、ですか?…だと、いいなあ」
それって、僕といると幸せってこと?
なんて自意識過剰な想いを、お日様みたいにあたたかい彼女の笑顔に見つめられながら微笑んだ。
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