「綺麗なんて、言うから悪いんだ」
あんたの全てを見透かすような目が、俺を通して、山姥切を、見ているから、
「あんたが…わるいんだ、俺は、俺は悪くない…!」
俺じゃなく、山姥切を見てるような気がして、あんたを失いたくなくて、俺だけの、なまえでいてほしくて、
目の前で血を流しているなまえの胸に、そっと頭を預けると、ぐちゅりと気持ちの悪い音がして、血の臭いが俺を包んだ。
なまえはピクリとも動かない。当たり前だ。俺が殺した。俺が、殺してしまった。
なまえの血がへばりついた刀身を見る。こんな刀、折れてしまった方がなまえのためだ。…ああでも、刀が折れたら、どうにかなってしまうんだったかーーーーーー
そう思いながらも、刀を壊そうとするその腕の動きは止まらなかった。
願わくば、最後に瞼の裏に映るものがあんたならと。
彼女の笑顔はもう、思い出せない。(150223)
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