なまえが帰ってきた。
おかえり、と声を掛けるも、小さく頷くだけで返事はない。
ふらふらした足取りで、放っておいたら立ったまま寝てしまいそうなほど、疲れた顔をしていた。

「夕食はどうする、食べられるか?」

数時間前に用意した夕食はすでに冷え切っていて、温め直さないとならない。
ふるふると首を横に振ったかと思うと、弱い力で押し倒され、ソファに座り込まされる。膝の上彼女の温もりが広がり、ああ、眠たいのかと何気無く思う。彼女は俺に抱きついたまま、眠りにつこうとしていた。

「なまえ、寝るならベッドに行こう。立てるか?」

そう尋ねて、彼女の顔を覗き込むと、なまえは静かにしててとでも言うように、そっと口付けを落とす。滅多にしない彼女のその行動に、一人鼓動を早めていると、なまえが腕の中で小さく微笑んだのが見えた。

ーー風邪を引くかもしれない。けれど、まだこの心地よい温もりに浸っていたいから、
あと少しだけ、このままで。




「あの…昨日は失礼を致しまして…」
「…顔を上げろ、俺は怒ってなどいない。…だが、代わりにと言ってはなんだが、一つ頼みを聞いてくれるか?」
「うっうん…!私にできることなら…!」
「もう一度、昨日したことを俺にしてくれ。今度はちゃんと、意識のある状態で」
「…!!!」


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