「待って!なまえさん!!」
「!」

テスト返却のみの午前授業が終わり、校門を過ぎていく人の中になまえさんを見つける。
全速力で走ってなまえさんを引き止めることに成功すると、ざわざわと話している帰宅途中の生徒たちの視線に囲まれていた。

「ちょっとこっち来て!」
「わ、ちょ、ちょっと鳴くん!」

咄嗟になまえさんの手を引いて人気のない場所へと連れて行く。早く人を撒かなきゃと思うあまり、急ぎすぎたのか、手を辿った先のなまえさんは必死に肩で呼吸をしていた。

「‥鳴く、‥は、速すぎ‥‥っ!」
「気付かなくてごめん!‥とりあえずそのままでいいから聞いてくれる?」

なまえさんは息を整えながらこくりと頷いた。風がなまえさんの髪をさらって、やけに綺麗だった。

「今回のテスト、全教科今まで一番良い点取れてさ、担任にめっちゃ褒められて‥とにかくありがと。なまえさんのおかげだよ」
「‥‥そんなこと、」
「それと‥‥ごめん。よく考えたら、俺最初になまえさんにフラれてたね。なのにちゃんと断れとか言っちゃって‥ほんとごめん」

頭を下げる。許してくれるまで下げ続けるつもりでいたけど、なまえさんは俺の頭を撫でて顔を上げるよう促した。顔を上げて見えたなまえさんの顔は、言葉で表せないくらい、綺麗だった。

「‥‥怒ってないの?」
「まさか。だって鳴くんだよ?ワガママで横暴で傲慢で、バカみたいにまっすぐなのが鳴くんでしょ?」
「‥‥‥いいの?そんな俺のままで」
「いいよ。だって、かっこいいもん」

‥‥ああ、もう。本当に。

「ねえ、なまえさん」
「うん?」

微笑んだままのなまえさんをじいっと見つめて、今にも溢れそうな感情に身を任せて呟いた。
やっぱりなまえさんが好きだ、って。


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