「俺、やっぱりなまえさんが好き」
なまえさんは目を逸らさなかった。ただじいっと、俺もなまえさんもお互いを見つめていた。
「‥私、家に忘れ物したから帰るね」
「もー!!なまえさんー!」
根負けしたのかとうとう視線を逸らしたなまえさんがそう言いながら再び門へ向かおうとする。
「待ってってば!今日練習‥‥!」
「待つけどその前に忘れも‥っ?!」
「!!!」
今ほっぺに。
俺の勘違いじゃなければ、俺のほっぺに、
なまえさんの、く、唇が、
「な、ななな、なっ‥‥」
「‥‥い、今‥」
「め、め、鳴くんのばかーー!!!」
頬に触れたあたたかさと柔らかさに放心しながらなまえさんの後ろ姿を見つめていたせいで、顔を真っ赤にしたなまえさんを追いかけるまで、数秒かかってしまった。
どうしよう、俺死ぬんじゃないか。
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