01:RIGHT OR LEFT
ロボット、と思えばこわくなかった。
あまりに浮世離れした世界で。
目を開ければここはデストロンの基地。どうしてか、なぜなのか、カオはここで衣食住。ステキな物語がはじまりそうだわ!なんてセリフが似合う基地ではないが、ネタには事欠かないだろう。
「お目覚めかブラー?」
目覚めてすぐに声をかけてきたのは、クイックストライクだ。早起きなのねと言えば、サソリは夜行性だからと答える。
クイックストライクはカオを任されている。理由は、一番背丈が近いからだという。それでもずいぶん、クイックストライクの方が大きいのだが。
「おはよ」
へらと笑えば、クイックストライクは肩をビクつくかせて驚く。
内心、「ああ〜!辛抱たまらん!どーして雌と二人にさせるギッチョンチョン!それならそれで、素直にあんなことやこんなことさせて欲しい!」と、ムラムラとしていたが、そうもいかず。
恥ずかしいやら情け無いやら、無理強いしてカオに嫌われるのがこわいクイックストライクは、紳士を演じていた。
カオはカオで、わりと優しくたまに冗談も言ってくれるクイックストライクには好意的であった。そうでなければ、この基地からはすぐに逃げ出していただろう。
「メガトロンさまから召集かかってるよ!行こう?」
「ブ、ブラー!」
これから毎日こんな生活をするのかと思うと、とても難儀なサソリである。