ゴールドフットはその日落ち着かなかった。
ほんの少し椅子に座り、すぐ立ち上がり、窓の外を覗いたり。

ゴールドマスクは側からしばらく見ていたが、我慢できなくなり声をかけた。

「フット兄貴、カオならそのうち来ると思うぜ」

「べ、別に待っちゃいねえよ!」

とか言いながら毎日楽しみなんだよなとマスクは内心思っていた。
それにしてもカオが今日は遅い。

「迎えに行ってやれば喜ぶと思うぜ」

「俺がなんでそんなこと」

「最近またラフプレーをするリーガー増えてるって話だぜ。何かあったのかもしれねえな、カオ」

「ちょっとオイル買ってくらあ」

そう言い訳をしながらフットは外に出て行った。
最近マスクはすっかり兄の背中押し係である。やれやれとマスクは椅子に腰掛けてくつろいだ。

フットは早足になりながらもカオを探した。

もしかすると、マスクの言う通り何かに巻き込まれてたのかもしれない。
いたるところを探したが、カオの姿はなかった。家まで足を運んでみたが家にも居ない。

どこに行きそうなものか、落ち着いて考えるためにフットは土手に座り込んだ。

アイツは鈍臭いから、どっかで怪我でも事故でもしているのかもしれない。そうすると病院か。はたまた、男ができてそいつの家にいるのかも。そんなことを考えていると何とも言えない気分になる。


「カオ…」

「なに?」

「ウオァ!?」

フットはらしくない悲鳴をあげてしまった。突然と現れたカオに驚いて。

「お、お前!どこフラフラしてやがったんだ!」

「買い物してただけよ」

カオも驚いていた。
買い物帰りに少し遠回りをすれば、まるで試合にでも負けたかのような様子でフットが座り込んでいるのだ。
声をかければ悲鳴をあげられてしまう始末。

どこをフラフラしていたと聞かれたが、まさか、とカオは少し期待をしてフットに尋ねた。

「もしかして探してたの」

「探してねえよ」

フットは顔をそらした。

「あー足が痛い!足が折れた!アキレス腱切れた!歩けない!おぶって!」

「んなわけねえだろ!歩け!」

「やだやだおぶって!」

お願い!とカオのひとおし。
チッと舌打ちをしながら、背中に乗るように促すフット。

「進め!おんぶリーガー!」

「落とすぞ!」

おっとそれは勘弁。
しっかりとフットに掴まった。

「ありがとうフット」

「へーへー」

「やっぱり私フットのこと好き」

「聞こえねえぞ」

聞こえないわりに体が熱くなっているなと思ったのは内緒だ。




「あ!初おんぶでどう?やっぱり柔らかいとか思うの?」

「思うかー!んなことをベラベラと喋るんじゃねえ!」

その後フットは柔らかいことを意識してしまい、ものすごく早足でカオを背負い、帰宅した。