束になった煙
「カオちゃーん!また会えたねー!」
「ヨホホ!あなたはあの時の!」
ガヤガヤと共闘メンバーが揃ってゆく中、カオに声をかけて来たのは黒足と骨の二人であった。すぐに声を聞いたキラーが睨み散らしそうとしたのだが、当の本人のカオはすぐに居なくなっていた。
「ベポちゃん!」
「おまえ!いつかの人間のメス!」
ベポを見つけたカオはすぐにベポへとまっしぐらだった。ギュー!と飛びついて抱き着いたカオにベポはワタワタと慌てていた。
「またベポかよ!」
「こいつばっかり!」
シャチとペンギンはベポを睨む。
ベポは助けてくれよー!と金切り声をあげている。おれはメスのクマが好きなんだ!とヘルプを出す。
「この大きさと、毛の具合、やはり本物は素敵…」
「毛なら抜け毛をやるよ!そんなに触るな、くすぐったいからー!」
探すためにやって来たキラーと黒足と骨の3人は、カオにベッタリスリスリとされているベポを見て『なんてうらやましい…』と心底思った。
「カオ、戻って来い!おれの側から離れるな!」
「え…はい!」
カオが離れると、助かった…とベポは胸をなでおろした。
「側にいろ」
戻って来たカオにそれだけ告げるキラー 。
これは『ここは悪い虫ばかりなんだから追い払うために目の届くところにいてくれ』という意味である。
『おれの側にずっといて欲しい』
と解釈してしまったカオは、とろんと赤くなりながらキラーの手を握った。えへへとしているカオにも気がつかずに気を張っているキラー。何人たりとも手は出させない、ということが滲み出ている。
「チッ、あのマスクガードマン…」
「なかなかお堅いですねえ」
ブツブツと麦わら組の二人が文句を言う。そんな二人を背にキラーはカイドウを倒すことと、それまでカオの純潔を守ることを決め込んでいた。
「キラーさん、信じていますね。キラーさんの側に居たら安心ですよね!えへへ、頼りにしています」
「ああ。他に代わりはさせないからな」
「カオちゃんからハートが出て見える。あれって目に見えるものなのか」
「ヨホホ。いつもソレ出してる人が言うと、笑っちゃいますね」
二人はブツクサと話を続けた。
そして、どうしてあんなにハートを撒いているカオに気がつかないんだろうなとキラーを不思議に思っていた。
キラーはひとつに集中すると、他のことが疎かになってしまう時がある。それが今だ。