ひとくい

ちゅ、という音に目が覚めると、サラサラとした髪が顔に当たっていることがわかった。かゆいと思ったのが正直な感想で、サラサラ気持ちいいなんてこともなく何かが顔から離れていった。

「目が覚めたようだ」

「え…」

かゆい髪の正体はジークフリートの髪で、つまり離れていったのはジークフリートの顔なわけで。ハ、と声が漏れたと同時に何をされたのかわかったものだから顔に熱が集中を急ぐ。

「危うく呪いにやられて眠り続けてしまうところだった」

「え、え…」

周りを見渡せば、赤くなっているランスロットと手で目を隠しながらも隙間からバッチリ見ているヴェインが居た。ますますカオが赤く熱くなってしまうというのに、ジークフリートの方は涼しい顔をしている。赤い顔を見て「熱があるのか」と呑気なことを言って。

「どうして人前でこんなことしたんですか!」

「カオにかけられた呪いを解くために…何か、問題があったのか」

「大アリです!こんな、もうお嫁にいけない…!」

「それなら俺のところに来れば良いじゃないか」

これまた涼しい顔でそんなことを言うのだからたまったものではない。カオは恥ずかしさで声にならないし、ランスロットの方が何故か照れている。