クジラ

「カオは、その、ブロンドが好きだって本当か?」
「えっ」

カオは突然のことに驚き、図星なことに恥ずかしくなった。しかもそのブロンドが好きな理由そのもの、ヴェイン本人から言われているのだから、尚更である。

「う、うん。私、好き」

もじもじとしているカオを見てヴェインは「やっぱりショタコンなんだ」ととんだ勘違いをしていた。アーサーを狙っているものだとずっと勘違いをしているのだ。

「俺、そんなこと知らずにずっと側に居たんだな」
「言ったことなかったから……」
「いや、俺が察してやるべきだった。ごめんな」

これはもうバレてしまっているのだと、カオは高鳴る心臓にどんどんと顔が熱くなっていった。

「アーサーは良い奴だからお似合いだと思う。よろしく頼む」

鏡が割れるようにカオのときめく心は砕けてしまった。何をヴェインが言っているのか、何故そんな話になっているのか、聞きたいことが山ほどある。

「ヴェイン、アーサーくんへは何も特別な感情はないのだけど」
「え!?」
「ブロンドの髪は好きだけど、特別じゃないよ」

勘違いに気が付いたヴェインはアハハと笑って誤魔化した。そういえばランちゃんの呼ばれていたんだーと、あからさまな嘘をついてその場から逃げ出した。

ヴェインって少し鈍感なのかもとカオは頬杖をつく。ため息がさっきまでの熱さを逃し、冷静さを呼び戻してくれた。