きりに包まれて
チルタリスのしろいきりが辺りを包み込んだ。
「いつもすみません」
包みを受け取りながら頭を下げるマクワ。カオは気にしないでくださいと笑う。カオがチルタリスの頭撫でてやると、プルルと気持ち良さそうな声を出した。
「ファンの方に見られると騒がれてしまいますから」
「ふふ」
マクワとカオは顔見知りで、たまにこうして会うことにしている。というか、カオがお弁当屋さんの人間で、お弁当やおにぎりを渡しているだけなのだが。ファンサービスに積極的なマクワだが、おにぎりの具まで写真に撮られてしまってからというもの、こうしてコソコソとすることになったのだ。
「今日は頼まれていたおにぎりです。卵焼きを入れたやつ、あんまり他の人には買われないんですけどね。わたしはおいしいと思っています」
「おいしいですよ。カオさん、ぼくは……ずっとこのおにぎりが良いんです」
へにゃりとカオは笑顔になる。
とくり。マクワは見惚れて、おにぎりのパックに力を入れた。
「またお願いします。わたしなら、こっそり配達ができますから」
「ええまた、さっそくですが明日も……お願いできますか」
「はい!」