白い
『白い色が好き』
何度も思い返されるカオのあの顔。カオに、似合う色。
それから何かと、白い物が気になるようになった。
ハンカチや、服、リボン、白い生き物、雲、何もかも。きっとカオが……
「カオは白い物、持っていなかったな」
思い返すカオが身につける物に、白い物はなかった気がする。何故似合うと思っていたのだろうかと、シンクは考え込むがきっといくら考えてもわからないだろう。これは別の次元の十天衆のマントが白で、それを被せたのがキッカケになったことが多かったからなのだ。思い出せもしないし、そんな記憶もないはずなのだが、不思議なもので白に強いイメージがお互い結び付いてしまったのだろう。
グランと街は出た時にもまた、白い物が目についてしまった。ウェディングドレスが見えた時には、思わず顔をブンブンと振って、これは違う違うと邪念を払った。
「なあグラン。カオは、白が似合うだろ」
「え、なに、ウェディングドレスの話?」
「ちが……! べ、別だ! カオは、白が好きだと言ったんだ。似合う色なのに、持っていないんだ、あいつは」
グランは口の中を噛んでニヤけることを我慢した。