今日の収録は真衣ちゃんと一緒だから、オレは朝からかなり上機嫌。

真衣ちゃんもう楽屋にいるかな、なんて思いながら廊下を歩いていると、真衣ちゃんが男の人と二人で喋っているのが目に入って、思わず声を上げた。



「…えっ!?真衣ちゃん!!」



大股で近付けば長い脚が活きたのか、すぐに二人の側に辿り着いた。

男の人がこれ以上真衣ちゃんに近付かないように、威嚇の意味も込めて真衣ちゃんを背中からぎゅっと抱きしめる。



「お疲れ様です〜」

「あ…ああ、お疲れ様です…」


あくまで声色は穏やかに挨拶をすれば、男の人は肩を少しだけ跳ねさせて挨拶を返してきた。

…なに?なんでそんなに怯えたような反応をするんだろう?
真衣ちゃんにどういうつもりで話しかけてたわけ?

もやもやが胸に広がって、目の前で大人しくオレの腕の中にいる真衣ちゃんの顔を覗き込んで尋ねた。



「何喋ってたの?」

「え?あ、まだ何も…」

「ふーん?」



「なーんだ、まだ何も喋ってないのか」なんて思いつつ、オレが気になっていることがもうーつ。



「……ちょっと真衣ちゃんと距離近いんで、今度から気を付けてくださいね!」



そう。近いんだよね、真衣ちゃんと。

あーやだやだ、メンバー以外がその距離にいるの、ほんと耐えらんない。

ていうかオレ今、「今度は」って言っちゃったけど。



「あ、でも今度とかないか。真衣ちゃんと二人きりになんてさせないし」



ぽつりと呟いたのが聞こえたのか、真衣ちゃんが頭だけ振り返って「ラウ…?」なんて可愛い顔で見上げてくるから、オレはにっこり笑って「なんでもない!」って答えた。

やっぱりもっとそばにいないと、すぐに変な虫が寄ってくるなぁ。
あとでお兄ちゃんたちにも相談しなくっちゃ!



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