「…で?どういうことなのか説明してくれる?」
「だーかーらぁ!俺もわかんないの!来たらこの女の子がソファで寝てたの!」
俺は今、なぜか阿部ちゃんに正座させられている。
今日はSnow Man全員でYouTubeの撮影があって、俺が一番最初に事務所に着いた。
部屋に入るとなぜか小さな女の子がソファで眠っていて、スタッフさんの子供か?と思っていたらその子が目を覚まして、俺の顔を見るなり泣き出してしまったのだ。
どうすればいいかわからずあわあわしていると阿部ちゃんが挨拶しながら入ってきて、状況を見るやいなや俺を一睨み。
続いてやって来た他のメンバーもこの状況を見るなり、驚きの声を上げる者、困惑する者、俺を見てドン引きする者(なんでだよ!)と反応は様々だった。
「小さい子泣かせるなんてサイテーだよ!」
「泣かせてねぇよ!俺の顔見たら泣き出しちゃったんだよ!」
「よしよし、顔デカイから怖かったね」
「怖くねぇよ!」
ラウールからは非難され、佐久間は俺の顔のデカさのせいにする。
そんなわけねーだろ!ていうか別にデカくねーよ!
「…で、結果この子は誰なん?」
康二のこの一言に、ふざけた空気は中断され、全員が一斉に女の子を見た。
謎の女の子は今、佐久間に抱っこされて怯えたような表情している。
先ほどまで泣いていたのでその瞳や頬は赤くなっていて、小さな手で佐久間の服をぎゅっと握っているのがなんとも可愛らしい。
なぜ佐久間に抱っこされているのかというと、俺も含めて他の奴は近付くだけでもっと泣かれてしまったから。
阿部いわく、「デカい男は怖いんじゃないかな」とのことで。
まさにその通りで、一番背の低い佐久間が近付くと、少し怯えはしたもののそれ以上泣かれることはなく、素直に抱っこさせてくれたというわけだ。
「…ていうか、めちゃくちゃ可愛いな、この子」
ぽつりとナベがそう言って、俺は確かに、と心の中で同意した。
白い肌に、ぷくぷくのほっぺ。
大きな目に、肩辺りまで伸びた髪は見るからにサラサラで。
瞳は色素が薄めで、まるで外国のお人形さんみたいだ。
と、そこまで思って、ふと引っかかりを感じた。
色素が薄めの瞳。
俺は身近に、同じ瞳の人を知っていないか?
「…………いやいやいや、まさか」
まさか、うん、そんなはずない。
たまたま、たまたまが瞳が似ているだけ。
遺伝とかそういうのじゃない、絶対に。
だってもしそうなら隠し子ってことになるし、俺たちにずっと隠してたってことでしょ?
そんな気配は全くなかったし、そもそも俺たち以外の男となんて、さすがに見逃すはずがない。
「………お名前、なんていうのかな?」
佐久間が顔を覗き込みながら優しく声をかけると、女の子は濡れた瞳で佐久間を見上げ、小さな声でこう言った。
「………………まい」
その答えに、俺たちは互いに顔を見合わせた。
…今、なんて言った?
「……えーっと、まいちゃん?上のお名前、わかるかな?…なに、まいちゃん?」
再度佐久間が問いかける。
そしてその答えに、俺たちはついに思考が停止してしまうことになる。
「………いと、まい」
しん、と、部屋に静寂が訪れた。