未明の冥


「静六くん、何作ってんの?それ」
「精力剤」
「へぇ〜。……誰に使うの?」
「俺」
 興味津々だとかそんなつもりは毛ほどもないが、こうしてわざわざ声をかけるだけの興味は抱いた。部屋のひとつを丸々占領してなにやら作業に勤しむ男が独り、襖の隙間から目に入ったのだ。普段なら颯爽と通り過ぎるところだが、



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