賑やかし


 在る日のこと。
 また在る日のこと。
 とある武士が、またとある武士が。
 命を落とし、そしてまた命を拾った。
 刀と犬の名を携えて。





 ふと、気づく。ここのところいくばかりか城内が少々騒がしいと思っていたが、今日はより一層賑やかな声が聞こえてくるようだ。それは城下の民たちの賑わいをも優に越える。
 一眞佐は顔の向きを少しばかり動かした。向こうで兄弟たちが遊戯をしているのだろう。それしきのことで癇に障ることはない。鬼の子の戯れだ。むしろ微笑ましく思う。
 さて、







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