| (とあセラネタ/エステル編/書きたい所だけ) 「えーっと、コレはどういう状況?」 それは、一方通行と打ち止めと私が仲良く入院中の時のこと。突然エステルという謎の女性が一方通行の前に現れた。彼の驚異的な能力を目の当たりにして力を貸してほしいと願うエステルに、またも厄介事に巻き込まれてしまう。私も一部始終を目撃してしまったので彼女の抱える問題は聞いている。否、盗み聞きした。 そしてそんなエステルと打ち止めと一方通行は先ほどまでファミレスに食事に行っていた。私は検査があったので病院食となってしまい泣く泣くお留守番となる。まだ彼女の素性がハッキリとしていないので不安だったのだが、まさかの現場を目撃して私は固まってしまった。そろそろ皆が帰って来ただろうと思って一方通行の病室のドアを開けると、そこには何故か下着姿のエステルと、その正面に壁にもたれかかって座る一方通行、そして顔を真っ赤にして慌てふためく打ち止めがいた。 「ひええ!これぞまさに修羅場ってヤツ!ってミサカはミサカはこの状況をどう説明しようかと慌てふためいてみたり!!」 「ん?なにか問題でもあるのか?」 「ハァーーーー……」 私の登場により更に慌てる打ち止めと、そして下着姿のままキョトンとした顔をするエステル。正面に座っている一方通行の表情は見えないけど盛大な溜息は聞こえたのでなんとなく状況は把握した。というか何故彼は枕を持っているのだろう…。 「あー…とりあえず、その下着かわいいね?どこのメーカー?」 「これか?これはー…」 「ってなんで名前ちゃんものん気にそんなこと聞いてるの!ってミサカはミサカは2人のマイペースさに驚愕してみたり!」 「ハァーーーー……」 見た感じエステルの服は部屋の端に干されていて、ファミレスに行っていた際に服でも濡らしたのだろう。そして彼女を見た感じ服はアレしかなさそうだから、今は仕方なくこの格好のままなのだと見た。そしてタイミング悪く部屋に入ってきた一方通行は溜息を連発しているのだろう。しかも彼をよく見たらしっかりと目を閉じていて、なんだかんだそういう配慮ができていることに私はクスリと笑った。 「エステルはとりあえず私の上着羽織っててね。んで打ち止めは検査の時間だよ」 とりあえず自分が病衣の上に着ていた上着をエステルの肩にかけてやり、目のやり場はなんとかさっきよりは困らなくなった。打ち止めは丁度検査の時間だったのでそう伝えると、「わすれてた!」と言って元気よくぴょこぴょこと跳ねて病室から出ていく。そして座り込む一方通行の前に私は屈んで手を差し伸べた。 「それとも、一方通行のうわきものー!とか言った方がよかった?」 「やめろ…」 結局彼は杖で自力で立ち上がり、私の手はそのままスルーされてしまう。一方通行はうんざりというようにまた小さくため息を吐いた。 「師匠!」 「師匠じゃねェ!!」 とある暗部組織との交戦後、エステルは一方通行に弟子にしてくれと頼み込んだ。だが勿論一方通行の答えは”NO”で、必死に頼み込むエステルを見向きもしなかった。というか、さっきからエステルとその隣にいる 「オイ名前!コイツ等なンとかしやがれ!!」 「えー私に言われても……あ、私が脱いでその服着せればいい?」 「ぶっ殺すぞテメェ」 なんとかしろと言われても服なんて今は持ち合わせてないし、私はうーんと考えた。そして自分の今身に着けているものをジっと見て、ハッと思いつく。 「禍斗ちゃんこっち来て!」 「 「大丈夫だ、名前の言うことをきけ」 「では、」 禍斗は一度主人であるエステルに許可を取るように視線を向けた。そしてエステルからの許可が下りたのでタタタッと私の方へと寄って来た。そして崩れた瓦礫の物陰に二人して隠れ、私は彼女に衣服を付けてあげた。 「どうよ!これで文句ないでしょ!」 「…………文句アリまくりだこのアホが」 「あれ?ブラジャーと下のズボンだけ貸してあげたんだけど、ダメかな?ほら、この病衣ワンピースみたいでパンツ見えないし…」 「ハァーーー……」 絶望的に頭を抱えてため息吐く一方通行に、私はどこかマズかっただろうかと首を傾げた。私は病衣のままこの現場に来たのだが、病衣の上は太もも辺りまで長い甚平のような作りになっているのでズボンは最悪なくてもなんとかなる。なのでその下のズボンを禍斗に履かせてやり、残りは上なので私のブラを彼女に付けてやった。ちょっと体格差があってぴったりとはいかなかったが、まあ大事な部分は隠せているだろう。両者とも完全とまではいかないがある程度の防御力は得られているのでOKかと思ったが、どうやら彼はあまり満足していないらしい。 「つーか、そこら辺にブッ倒れてるヤツ等の服剥ぎ取ればイイだろォが」 「あっ!その手があったか!」 「オマエその恰好で外出てみろ、後で犯す」 「ええっ!そんなにひどい!?」 ボソっと最後に私にだけ聞こえる声量で言った一方通行の睨みは、何だか物凄く怖かった。 結局服は一方通行の目も怖いので戻されてしまい、禍斗にはセーラー服を着た子の服とDAのジャケットを剥ぎ取って着せることとなる。私の提案より完全に防御力が増したので、まあ良しとしよう。 「エステル行っちゃったね」 「やっと静かになったと思ったのによォ…」 「あはは、最後にやってくれたねあの子…」 全ての事が終わり、学園都市の崩壊…ではなく、私たちの守るべきあの子の命を守ることができた。そしてそんなエステルがこの部屋から去る瞬間、部屋はほぼ半分崩壊した。こういうところもまた、彼女と禍斗らしいなとは思うが…。 「一方通行ってさ、案外罪作りな男だよね」 「アァ?悪党に何言ってやがる」 「そーゆーことじゃなくて…」 一方通行の周りって意外に女性が多いというかなんというか、しかも本人はまったくその気がないのに的確に心を掴んでいく。前まではそんなこと全然思わなかったけど、これは案外敵は多いのかもしれない…。私はそっと、ベッドに横になる彼の手に触れた。 「ンだよ」 「んー……理由なきゃ触っちゃだめですか?」 「ハァ……、」 彼のため息と共に私が触れていた彼の左手がその場からどけられて手が離れてしまった。やっぱダメだったのかと残念に思った時、どけられた彼の手が私の後頭部を掴む。そしてそのまま背後からグッと押し寄せられた。 「んっ……!」 気づけば唇は重なっていて、彼の舌によってねじ開けられた口から私の舌を絡めとる。私が上にいるはずなのに何故か押されていて、後頭部を固定されいるので簡単に離すことが出来なかった。薄く開けて見えた彼の真っ赤な瞳が薄目で私を捕らえ、一度口が離されたかと思えば噛みつくようにまた重ねられる。そういえばエステルが来たりと色々あってこういうこと全然してなかったから…だからなんだか物凄く、恥ずかしい。息も上手くできなくなってしまいそろそろ限界だとそう思った時、ようやく唇が離れた。 「な……なに、いきなり…っ…」 「理由がなきゃ、したらいけねェのかよ?」 「ッ……!!」 ペロリと彼の舌が自身の上唇を舐めて見せ、そしてそう言った。それは………ズルくない? 「余計な心配してンなよ」 「へ?」 「オレは寝る」 ぐしゃりと彼の手が私の髪を乱し、そしてそのまま目を閉じた。この状況でまさかの寝るのか…なんて思いながらも、私もなんだかうとうとしてきたので彼のベッドに顔を伏せた。 「風が気持ちいーね」 「お陰様でなァ…」 ぶっ壊された解放感ある窓から涼し気な風がそよぎ、私たちはこのまま……少しだけ、眠ることにした。 |