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『・・・・・・・・』
「愛華ちゃん、食べないの?」
『・・・・・・・量が多すぎる』
「愛華は、細すぎるもの!これくらい食べるべきよ」

隣と向かえに座っている、クラスメイトとやらに
食べるように進められるが
量が量であるうえに、微妙な味だ

「一昨日から、ずっとそうよね・・・燃費が良すぎ」
「転入してきて、まだここに慣れてないだけだと思うなぁ。
緊張が解けたらもう少し食べられるようになるよ」
『・・・そうかな』

とりあえず話は合わせておくが、あの時よりは食べているのだから許してほしい


聖護が御堂将剛に見切りをつけ
御堂は、公安の人間に執行され肉の塊になった

次の犯罪に移ったため、私は制服を着て学園ライフを送っている
今まで、周りにいなかった同性に囲まれての生活だ

図書館の資料もそれなりに楽しめることもあって
悪くない・・・
授業は、ほとんど聞いていない。寝ているわけでもなく、読書タイム
授業料については聞いていないが、彼がなんとかしているらしい・・・
だいたいどこから収入を得ているんだか不思議なくらいだ

結崎愛華(ゆいざき・ういか)
桜霜学園高等過程1年
何一つ正しいことがない
名前も年齢もでたらめだ

よく、こんな偽装で学園に入れるものだ・・・
そこは流石、グソンというところなのだろう

このご時世には珍しい白髪は、そのままでいいのかと
聖護に尋ねたが、染める必要も、ホロを使う必要もないと言われた
この世代の人間は他人を認識する力が、衰えているらしい

道理で、あの美形が目立たない
それともこの学園の生徒が異性に興味がないのか
クラスの中にも芸術選択で美術を選んでいる者もいるが
教師が話題になることは、なさそうだった


学園にきて4日
いつも通り、遅刻
不規則な生活をしていたこともあり、朝起きることができない

“そっちは、どうかな”
授業中に、デバイスを確認すると連絡が入っていた
彼と文字でのやり取りをするのは、ここに来て初めてかもしれない

“料理が不味くて死にそうよ”

“カロリー計算もされるだろうから、肉料理が多いだろう?”

“そうよ。多くて食べきれない”

“しかし、返信が遅かったが1限は、どうした”

“寝坊したから、出てないわ・・・病弱な設定があって良かった。適当に誤魔化せる”

通信なら、笑われそうだ

“彼女とは、会えたのか”

“まだよ・・・3年の場所まで、まだ行けていないの”

“そうか。友人はできたかな”

“・・・一応?2人、色々教えてくれる子がいるわ”

“それは良かった”

“ねぇ、貴方って美形の類じゃないの?”

“急に何を言うかと思えば、さぁな、悪くはないと思うが”

”自分で言うのは、ナルシストっていうのよ。
・・・美形の教師が来たら、もう少し噂になるものじゃないの?“

“身柄上、あまり生徒とは関わらないようにしているからね。
 それと君は、本の読みすぎだ。夢を見すぎだよ”

“そういうものなの?学園生活って言ったら、青春って思っていたんだけど
 ここは女ばかりだから、教師と生徒の恋愛とか?同性愛もあるだろうけど”

“たまには、君も恋愛感情を他人に抱いてみたらどうだ?”

“同性に?”

“趣味じゃないかい?”

“わからないわ。恋愛だなんて、よくわからない”

“なら、その友人2人に聞いてみることをお薦めするよ”

“貴方も友人じゃないのかしら”

「結崎さん、結崎さん!!」

『・・・・っはい!』
「大丈夫ですか?」
『すみません』
「では、続きから」
『はい・・・』

急に当てられて驚き適当に読み始めれば
的外れのところを読んでいたらしく、授業に集中しなさいと言われた
しばらく、教科書を音読し席に着けば
教室が静かになった

『?』
「結崎さんは、演劇か何かをされていたのですか?」
『いいえ、先生。たまに、こうして音読していただけですよ』
「そうでしたか、まるで朗読劇のようでした」
『ありがとうございます』

音読は、あのセーフハウスに行ってからも続けていた
聖護が帰ってこない日に限ってのことだが
・・・そういえば、会話の途中だったと思い
再開された授業の中デバイスを確認した



急に返信が途絶えたが、おそらく授業中に当てられたか、問題でも解いているのだろう

“貴方も友人じゃないのかしら”

友人という言葉を使ったのは、5年前の自分だ
懐かしい、そう思うほどに時間が経っていたことに驚く

“そう言った話は、同性とした方が話やすい。男女の恋愛の考え方には差があるからな”

彼女に彼女ができる可能性は考えてはいたが
この様子からすると、おそらくなさそうだ
目を付けられる可能性はありそうだが


“わかった。後で聞いてみる。”

返信が来た



“ところで、君は、音楽ができたのか”

“歌くらい歌えるわ。授業はなんとかなったもの・・・どうして?”

“美術を選択しなかった理由を聞きたい”

“・・・・・絵を描くのが好きじゃない。それに、貴方の授業でしょう?聞きたければ今度、聞けばいい”

“なるほどな。てっきり嫌われたのかと思ったよ”

“好きも嫌いも関係ないでしょう?たかが選択授業じゃない”

“それもそうだな”


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