3 新しい玩具が見つかったのか、グソンと頻繁に連絡を取る彼がいた 「今度は、君にも外に出てもらうよ・・・しばらく、ここには戻れなくなる」 『どういう意味?』 「全寮制の女子高等課程教育機関」 『桜霜学園・・・』 「そう、君も転入してもらう」 『・・・・・え』 「彼女もそこにいる」 『・・・・・・』 「今度は僕も表に出ようと思ってね。一緒にどうかな」 『・・・期間は?』 微笑を浮かべた、目の前の男を見れば、言われなくともわかった 期間は、この男が飽きるまで 「今は色々と準備中だ、そのうちに君の制服も用意するよ」 『・・・そう』 「乗り気と取っていいのかな?」 『・・・図書館はあるのよね』 「もちろん。200年の歴史のある教育機関。未だに紙の教科書を使っている珍しい学校だ」 『自由にしていいのかしら』 「好きにすればいい。僕の希望を言うのなら、まだ公安の人間には捕まらないで欲しいな」 そう言って、私の頭に手を置いた 『了解。それは、私も嫌だもの』 「それは、良かった。・・・まぁ、今のところは御堂の動きを観察させてもらうよ」 『・・・まだ、継続中だったのね』 「まだね」 自分のコミュニティーを周っていた際 2,3回見かけたアバターが 条件付きの部屋にまで来ていた 観光地としてアバターがうようよしていたのが気に入らず 条件付きのエリアを作った 部屋によるが、謎解きや、言葉遊び、数字的な条件 色々と用意したが、このアバターがいるのは、かなり奥だ たまには、いいかと思い クラゲ?のようなアバターに自ら声をかけた 『この部屋に入れるアバターは、そうそういないのよ』 「・・・ラパンブラン!!」 『よくここまで来れたわね』 「私、あなたの空間好きで、何度も来ているうちに隠し空間に気づいたの」 『そう、ありがとう』 「ラパンブランの作る不思議の国は、まるで絵本の中・・・ 友達の勧めで来てみたら、はまっちゃって。不気味な部屋もあるけど、そこがまた楽しい」 ちなみに不気味に作った、あの部屋は意味を理解すれば、おそらく色相が濁る 『・・・それは、どうも』 「そのアバターは自作なの?」 『えぇ』 「やっぱり、すごくかわいい」 『そんなに褒めても何も出ないわ』 「でも、色々あったときに、ここに来ると落ち着くの。ここまで来ると人も少ないし」 『そう・・・なら、私はこれで。ゆっくりしていってね』 長く白いうさ耳少女のアバターが姿を消して、数分後 室内に椅子が現れた 管理者が椅子を用意してくれたのだろうか 遠慮なく使わせてもらう ラパンブランと話した2日後 タリスマンの管理者が消されていたことが発覚した ふと、兎少女を思い出し、彼女の管理者は本物だったのだろうか 寡黙で有名なアバターがタリスマンの元を訪ねたり、私に話かけたりなんてするだろうか そんな疑問が浮かんだ 「君は、アバターを被ってもあまり変わらないな」 『・・・変な感じ』 コスチューム・デバイスというものをもらった 試しに自分のアバターを登録してホロを起動させたが 聖護からは、あまり変わらないという言われた 「・・・・・」 『何?』 「・・・いや、案外かわいいと思ってね」 『可愛く作ったもの当然だわ』 デフォルメされた本人のようなうさ耳少女は ぴょこぴょこと動き、垂れた耳の先を感情に合わせて動かした その姿は、どうにも可愛らしいく そのままソファに転がり本を開く様子は まるでアニメの中の様だ ラパンブラン:白い家兎 その名の通りだ ポンチョのフードを被った彼女を外へと連れ出した ブーギーガーデンの管理者、菅原昭子のマンションだ 隣の部屋で殺人が行われるというのに 相変わらず、特に気にした様子もなく他人の家を物色している 他人の死に関して、それが犯罪だと分かっていても自分の身ではなければ気にならないのだろう 現場や、死体を見ては『痛そうね』と、言っていた 「アバターを纏っても、あまり変わりませんね」 『貴方も同じことを言うのね』 「もともと自分に似せて作ったアバターだ」 「まぁ、普段より、可愛らしさは増していますが」 感情が耳先に出るので、普段よりわかりやすい 褒められて嬉しいのか、恥ずかしいのか、ぴょこぴょこと耳先が動いた なんだか微笑ましく思っていると すぐにホロを消してしまった しばらくして、隣の部屋との扉が開けられ 菅原昭子の遺体が運び込まれた 「・・・・・・」 ちらりと御堂が新零の方を見た 初対面のはずだが見覚えがあるのだろう 『トマトは、そのままの方がおいしいわ』 「・・・・・・・・・」 作業中だった御堂が、ちらりとこちらを向く 「どういうことだ」 「ラパンブランは、君も知っているだろう?その管理者が彼女だよ」 「・・・・・・・・」 「彼女は僕のお気に入りだ」 御堂は、ちらりと白髪を眺め、またに作業に戻った 新零も興味なさそうに、ソファに座り、この部屋にあった本を開き ジューサーの音が響く中、ただ黙々とページをめくっていた 後日 御堂が執行され、事件は終了した 久しぶりにコミュニティーフィールドへと足を踏み入れた だが、1つ気づくことがある。御堂に乗っ取られていた場所はもちろんのこと ラパンブランのコミュニティーも更新されなくなった。 もしかしたら、この事件の犠牲者になっているのかもしれない そう思い、分析官の唐之杜に調査をお願いしたが、思ったような結果は得られなかった 更新はされていないが、管理者の学生は、街頭スキャナの履歴に残っている 「このアバター・・・」 「狡噛さん知っているんですか?」 「いや・・・昔、あった奴に似ていてな」 「似ている?」 「あぁ・・・管理者の顔は割り出せるか」 「えぇ、ちょっと待ってね」 表示された少女は、アバターとは似ても似つかなかった ←→ 目次 |