21 「君は、こちらで良かったのか?」 『4年前に私が言ったことを忘れたの?』 「いや。熱烈なファンがいてくれて嬉しいよ」 『ファンだなんて言ってないわよ』 「ふっ・・・」 すっと細められた目に反して 頭に触れる手は優しかった 『聖護』 「何かな?」 『今、楽しい?』 「ああ」 『・・・そう』 「どうかしたのか?」 『何でもないわ』 ノナタワーの最上階 螺旋階段の上は、一段と空気が冷たい 隣にいる男が、なぜこんなに薄着なのか疑問に思いつつ 手に息をかける 「新零は、新零のしたいようにすればいい」 『・・・わかってる』 「そうか」 『?』 「新零」 『何よ?』 「この関係は、ここまでだ」 『・・・・・・』 「ここからは、君の好きにするといい」 『・・・・・・・・・・』 僕の方を見上げ、普段見られないほどに大きく開けられた瞳を覗く 「・・・・・・」 動揺しているのか ぽかんと開いたままの口から、白い息がもれた 「来たか」 ←→ 目次 |