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誰に相談していいのか、わからなかった

それからの的場の態度も前と何も変わらなくて
まだ時間があるのなら、それからにしようなんて
甘い考えだった

ご先祖様が危険な術を作らなければ
たくさんの恨みを買って
たくさんの功績を上げなければ
私の血が椿でなかったら
あんな事件は起きなかった
私の悩みはもう少しシンプルだった

自分の考えが分からなくなっていく
深く考えるのも嫌になって
術を覚えることに没頭した

会合へ行く回数も減って
的場と少しだけ距離を置くようになった


「明翠、今、帰り?」

『...うん』

後ろから追いかけてきた的場が横に並んだ


『みんな忙しそう』

「冬が近づいて来てるから仕方がない」

『大変ね』

「そういえば、噂聞きました?」

『西の森の話?』

「知っているなら、話は早い」

『今日行くの?』

「あぁ」

『なら、私も行く』

「久しぶりだ」

『確かに、そうね。最近、的場も忙しかったし』

「明翠は、引きこもっていたみたいだけど、何してたの?」

『勉強してたの。別に引きこもってたわけじゃないわ』

西の森の噂は父から聞いていたし
それが、どの程度かというのも聞いていた
丁度いい肩慣らしになりそうだ

「足手まといにはならないでくださいよ」

『誰が足手まといよ。捕るのは私』

「そうですか、まぁ、そう簡単には譲りたくない相手なので、手加減はできませんよ」

『手加減?変なことをいうのね。私の方が捕った数は多いのに』

「そろそろ明翠の時代は終わりじゃないですか?」

『そう言うのは、勝ってから言った方がいいと思う』

「やってみればわかる」

『その自信、へし折ってあげるわ』

「いつになく強気ですね」

『試したいことがいくつかあるのよ』

「それは、楽しみだ」


結局、捕ったのは私だった
少し不機嫌そうな的場と別れて
私は機嫌よく家に帰った



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