01
外傷は見つからなかった
その手の医者に見せたが特に異常は見つからず
時間が経てば意識を取り戻すだろうと
1週間ほど入院後、自宅療養ということになり
的場の邸に連れて帰ることになった
色々と言われたが大した問題ではない
力を欲するのなら申し分ないだろうに
何を怖がる必要があるんだろうか
真っ白だった顔色も日に日に良くなっていく
そろそろ目を覚ますのかもしれない
4年...
おそらく4年前から成長は止まっているのだろう
最後に見た
あの日、別れた時から何も変わっていないように見える
記憶はあるのだろうか
彼女は
全て受け止めきれるだろうか
目覚めたところで
家族は妖に殺されている
積み重なった別れや悲しみと折り合いをつけられるだろうか
心配ばかりが降り積もっていく
妖となった姿を見られたくなかったのだろう
そのまま祓ってほしかっただろう
目覚めたら
怒るのだろうか
それこそ、泣いて怒ってくれた方がよっぽどいい
「明翠。私は、今から仕事に行きますから、大人しくしていてくださいね」
見張りに式を置いて行くが
彼女の妖力が健在であれば簡単に振り払えるだろう
ただの連絡用にしかならないかもしれないが
置いて行かないよりはましなはずだ
もう何度繰り返しただろうか
早く声が聴きたい
目を開けてほしい
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