09
「名取さん?!」
「久しぶりだな、夏目」
あれから、1週間ほど経った
妖たちに色々と聞いて周ったが
特に、これといった情報は得られなかった
ただ不審なことが山で起きているのは事実だった
「どうかしたんですか?」
「最近、この辺りで妖の血が発見されると報告があってね。少し様子を見に来たんだ。また、夏目が何かに巻き込まれているのかもしれないしね?」
「......」
「何か知っていることがあれば、教えてくれると助かるな」
「おれも、妖の血を山で見ました」
「...噂は本当ということか。もしよければ案内してくれないか?本当は巻き込みたくないんだが、情報が少なくてね」
「構いませんよ。おれも気になって妖たちに聞いて周ってたんです」
「また、君は面倒事に首を突っ込んで...」
「すいません。ほかにも気になることがあって」
「気になること?」
血を目撃した場所へ案内しながら
あの妖のことを話した
点々としている血痕の4つ目を案内し終えたところで
名取さんが、その妖について口を開いた
「この血痕の原因は、その妖かもしれないな」
「..........」
「君もそう思ったから調べていたんだろう?」
「...はい」
「その消化不良状態を抜け出すために力を欲し、完全にその人の子を取り込めると...」
「早く助けないと、時間が」
「...それは、難しいかもしれないよ夏目。あまり言いたいことではないけれど...いや」
「?」
「力の強いものを喰らったと言っていたね」
「はい、先生が。確かに先生がその妖に飛びついたときに一時的にですけど火傷みたいになったんです」
「火傷?」
「おれが触っても平気で、その後、先生を触れさせてもそうはならなかったんですけど」
「その妖は、話すことができるのかい?」
「できます」
「今、どこにいるのかもわかるのか?」
「それが、ここ最近、前にいた場所にはいなくて」
「......」
「名取さん、その妖の中にいる人に心当たりはありませんか?力の強いということは、祓い人の可能性も」
「.........1人いるよ」
そう言って、少し視線を流した
柊たちに、その妖を探すよう指示を出し
また、おれに向き合った
「夏目は、この件には関わらない方がいい」
「どうしてっ!」
「君が優しいから...かな。まぁ、止めたところで聞く君じゃないか」
そう言って、深く息を吐いた
「君が傷つく結果になることが私は怖いのだけど、それでも、それでも、関わるというなら、」
「名取さん、おれはその人を助けたいんです。...このまま引けと言われても引けません」
「まったく君は......わかったよ。なら、先に言っておくよ。この件には、的場が絡んでる...それでも?」
「はい!」
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