01
「明日、1時に集合だからね」と友人に突然言われた。何が何やらわからずにいると学祭の買い出し行くって言ったでしょと言葉付け足され納得した。そう言えばそんな話だったかもしれない。それを告げて、友人はまた話しあいに入って行った。私とて学祭は楽しみだし、買い出しに嫌々行くわけでもない。これも一興というやつだと思う。けれど、当日、こんなことになるとは思ってもいなかった。偶然なのか、何かしら裏で取引があったのか、はたまたこいつが私のことが好きだとか?そんなはずがない。向こうも、少なからず驚いていると思いたい・・・のだが、如何せん相手はクールで有名な赤葦で、思ったより上にあるその表情は読めなかった。
「とりあえず、買うもの決まってるし、さっさと終わらせて解散ってことでいい?」
「・・・・・え、いいけど」
「じゃぁ、」
「いや、その前にさ。なんでこの状況になったのかとか考えないわけ?」
「椿さんが俺のこと好きだとか」
「それはない。むしろそっちが私のこと好きなんじゃないの?」
「それもない」
「じゃぁ、なんで?」
「さぁ?」
「さぁじゃないってば」
「他の人たちは用事ができて、来れなくなったなら仕方ないんじゃない?」
「仕方ないじゃないよ、わざとだよ絶対」
「わざとだろうが、なんだろうがやること決まってんだから、そう騒ぐほどの事でもないと思うけど」
「・・・・・・」
あ、だめだ。これ以上騒げば、じゃぁ1人で行くから帰っていいよって言われる気がして、口を閉じた。さすがにそれは無責任すぎてできない自分がいる。少し安心した。
「帰るって言うかと思った」
「仕事だから無責任にほかったりしないよ」
「さすが土曜日なだけあって、カップルばっかりだな」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・」
「赤葦って性格悪いって言われるでしょ」
「言われたことないよ」
「嘘だっ」
「嘘ついてどうすんの」
なんだこいつ、涼しい顔して人のことをおちょくってやがる。もともとタイプじゃないから眼中にないし、この動じないあたりがすごくムカツク。
「椿さん、何してるの。置いてくよ」
「どうせ、はぐれたら見つからないくらいチビですよ!!」
「・・・誰もそんなこと言ってない」
「その涼しい顔の下で絶対思ってる」
「・・・・背、いくつ?」
「・・・・153」
「言うほど小さくないと思うけど」
「そーですか!!」
さっさと改札に消えていく赤葦を追ってICカードをかざして通り抜けようとすれば、ピコンと音がして道を阻まれた。どうやらかざす時間が短すぎたらしい・・・呆れ顔の赤葦がこちらを振り返って「電車来るから」と露骨にせかしてきた。
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