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「新零ちゃんも4月から雄英に通うんだって」
と、話に聞いているだけで会ったことのない奴のことを姉に言われた
母が入院している病院に時折入院や通院しているらしく、顔を合わせるうちに仲が良くなったらしい
だからと言って、自分には一切関係がない。興味があるとすれば、
「学科は?」
「普通科だって」
それだけだった
わざわざ雄英の普通科を選んだのか、ヒーロー科を落ちたからなのか、まぁどちらでもいい
自分には関係ないことだ
そんな話を3月の末にしたことを思い出したのは、自分の担任が横にいた女子生徒のことを「新零」と言ったからだった
名前で呼んだということは、ただの教師と生徒ではないのだろう
「轟、呼び出して悪かったな」
「いえ」
「教室で渡し忘れた」
そういって自分の方に差し出されたそれを受け取った
「・・・なんだ、お前らか知り合いか?」
すぐに戻らない俺に対して先生が質問を投げかけた
それを聞いて彼女も、俺の方をじっと見ている
「轟・・焦凍?」
「・・・・・」
「お前が、新零か」
「やっぱり!」
「椿、俺は戻るからな」
「はい、ありがとうございます」
間に挟まれていた先生が職員室に戻り
初対面にしては中途半端な出会いに少し戸惑った
「私、椿新零」
「あぁ」
「轟くんは、ヒーロー科なんだよね。相澤先生のクラスの」
「まぁな、お前は普通科なんだろ」
「うん。ヒーローにはなるつもりないの」
初めから普通科希望か
「新零、置いてくよー」
「あ、ごめん、待って!!!」
「じゃぁ、俺は行くから」
「うん、また会ったらよろしくね」
友人に呼ばれる方へとかけていくのを少し振り返って見た
母の入院先へ足を運ぶということは、彼女自身にも抱えている何かがあるのだろう
そういえば、先生が彼女の呼び方を変えたのは、自分がいたからだろうか
「・・・・・」
あの担任に限って、それはないだろう