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私、桜庭雅乃は帝国学園に通うごくごく普通の女子である、というテンプレ的な設定を持つ。
そんな私には好きな人がいる。その好きな人に会うために今日も放課後、いつものところへ向かうのだ。


向かってたどり着いたのはサッカー部が使用しているサッカーコート。ちょうど休憩中だったのかみんなベンチ辺りにいる。
そんな中、一人だけ私の目の補正により輝いて見える人物がいる。
「佐久間せんぱーい!!」
ぶんぶんと思い切り手を振る。
私の声に振り向いたのはただ一人。佐久間先輩だ。他の人は何故反応しないのかといえば、ほぼ毎日これやってるから他の部員は慣れているらしい。

振り向いた佐久間先輩はというと、
「おいお前!! いい加減そうやって叫ぶのやめろ!周りに迷惑がかかるだろうが!!」
注意をするのが周りの事なあたり、佐久間先輩もこの恒例行事に慣れてしまっているらしい。ううん、もっと凝らさなきゃ!
「これ以上のことしたら出禁な」
「心読みました?そろそろ以心伝心できますね!」
「お前の頭の中単純そうだからすぐわかる」
そんな会話をしながら佐久間先輩の顔を眺める。
「なんだよ、こっち見んな」
「えへへ先輩好き!」
「鬼道さんそろそろ練習始めませんかー!?」
「無視しないで!」
慣れたけど反応されないのは悲しい!


なんて私が考えているうちに再び練習が始まっていた。
「ちくしょう泣いてやるぅ」
「桜庭!? どうしたそんなベンチの上で丸まって! 落ち込まなくてもいつかスタメンになれるから!」
「源田先輩、私サッカー部じゃないです」
「そうだぞ桜庭。結局は努力だ努力。今度一緒に練習しようぜ」
「恵那先輩、だから私サッカー部じゃないですって」
とりあえず私はベンチから離れた。


練習しているみんなの姿を見て私は思う。普段佐久間先輩の名前ばかり呼んでいるけど、そんな佐久間先輩に限らずサッカーをしている皆は格好いい。
でもやっぱり佐久間先輩に注目してしまう。サッカーしているときは本当に真剣で、それに周りもちゃんと見ていて認めてる。私はサッカーに関する知識は全くと言っていいほどに皆無だ。でもこれだけは言える。

佐久間先輩は誰から見てもすごい。
輝いてる。
だからこそ、私は佐久間先輩を好きになったの。