佐久間先輩が突然食事を作ってくれる事になり、近所で佐久間先輩の言うとおりに食材を買う。
そうして、我が家に着いた。
「すみません、ちょっと散らかってて」
私は苦笑いする。
ああ、佐久間先輩が来ると事前に判っていれば綺麗にしておいたのに。私の馬鹿。
「じゃあ、早速キッチン借りるな」
「あ、はい!作るところ見てていいですか!」
「金とるぞ」
佐久間先輩は食材を取り出しながらそんな冗談をこぼす。いや、もしかしたら冗談ではなくて本気かもしれないけれど。
結局手伝いもいらないと言われリビングでゆっくりと待たせてもらうことになった。
***
「調理器具だけやたら揃ってたけど絶対ろくに使ってないだろ」
「開口一番になんですかやめてくださいそれ事実です」
いい香りを漂わせて佐久間先輩はキッチンから顔を出した。
「できた。嫌いなものでもちゃんと食えよ」
「佐久間先輩が作ったものなら何でも食べますよ」
「言ったな」
テーブルの上に数品の料理が並べられる。二人座り、いただきますと手を合わせた。
「あ、美味しい」
素直に感想がこぼれる。凝った料理ではないけれどやっぱり人の作ってくれた料理となると特別美味しく感じる。
「佐久間先輩料理得意なんですか?」
「普通だろこれくらい」
「私はできない…」
「へたくそ」
「ついにはっきり言いましたね!試しに今度私の手料理食べてみてください!」
「冷めるから早く食べろ」
「はぐらかした…」
少しだけ不服に思いつつも目の前の料理を頬張る。
「そういえば佐久間先輩」
「ん」
「私の部屋に来たの初めてですね」
「うん」
「変なことしないでくださいね」
「死ね」