「フンッ!フンッ!」
早朝5時、俺は中庭で日課の素振り(もちろんミントン)をしている。
「ふぅ…」
軽くタオルで汗を拭い、空を見上げる。
天気予報の通り、今日は快晴だ。
あれ?快晴って、何か降ってくるものだったかな?
「あれは、何だろう」
見る限り、真選組屯所に真っ逆さまに落ちてきているソレ。
だんだんと近くなって、やっと何なのか分かった。
「お、女の子ォォォ!?」
まだ自分が置かれている状況が把握できない。が、あたふたと考えた末、その女の子を受けとめることに決めた。
「こ、こここの辺に落ちるかな?」
とりあえずの準備をするが、準備といっても身構えることくらいで。物凄いスピードで落ちて来ている女の子だ、受けとれる自信がこれっぽっちも無い。
あ、やばい。
落ちる―…
『天国のお父さん、お母さん。私、もう少しでそちらに逝きます』
そんなことを口にしながら下を見ると、江戸の街が広がっていた。
私の体はまるで江戸に吸い込まれるように落ちていく。
『そんな呑気に考えてる場合じゃないかも』
やっと自分が危機的な状況にあることを認識するも、為す術もない。
だんだんと小さかった街が大きくなっていく。
『鳥になれたらいいのに…』
もう思考回路もおかしくなって、そろそろ地面とこんにちは!をしてしまいそう。
すると下に人がいるのが見えた。
わっ、バカ。
何キャッチしようとしてんだよ、危ないでしょ。
『ぶ、ぶつかる!そこどいてっ!』
死の瞬間を待って、目をギュッと瞑った。
ドンッ!!!!!!