結局小学生の間はずっと、私の方が身長が高かった。
変わった事と言えば、呼び捨てで呼ぶようになったくらい。
暁は相変わらず私を志保ちゃんと呼んでいた。
そして中学1年生の夏、ついに暁に身長を抜かされた。
元々低くなかった暁の身長は、中学に入って更に伸びて
ついでに野球でも実力を伸ばしていると聞いた気がする。
顔の良さも相まって女子に人気が出始めたのもこの頃だ。
「志保ちゃん」
「……………………なに」
「僕を志保ちゃんの彼氏にして。僕の彼女になって。」
「……………………」
身長と比例して私に対する態度も大きくなった。
黙りこくっている私に畳み掛けるように
志保ちゃんが好き、と囁く暁の声は昔よりずっと低い。
いつからこんな目で私を見るようになったんだろう。
「暁は執着してるだけなんじゃないの?
ずっと手に入らなかったから。
そういう執着とか、小さい頃からの情を、
好きっていう気持ちと区別できてないだけ、みたいな」
私は可愛くも優しくもない。もちろん綺麗でもない。
勉強も運動も出来ないし、これといった特技もない。
もっと可愛くて優しくて、しっかりした女の子と
付き合えば良いのに、と本当に不思議で仕方ない。
「好きじゃないなら……、ただの執着なら、
こんなにどきどきしない。悲しくならない。
時間を割いてまで会いに来ない。触れたいと、思わない」
「暁……」
「僕が嫌いなら、そういう風に見れないなら、そう言って。
拒否はしないくせに、言い訳して逃げるのはもうダメ」
痛いほどの力で掴まれた腕と、
怒気を孕んだ眼差しが私を責める。
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